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NTTデータグループの2026年度第1四半期連結業績は増収増益、受注高は29.7%増と好調な滑り出し
2026年8月17日 06:00
株式会社NTTデータグループは6日、2026年度第1四半期(2026年4月~6月)連結業績を発表した。それによると、売上高は前年同期比15.8%増の1兆2789億円、営業利益は同9.9%増の635億円、当期利益が同4.5%減の166億円。受注高は前年同期比29.7%増の1兆4603億円となった。
2026年6月にNTTデータグループの社長 CEOに就任した中山和彦氏は、「業績予想に対しては、順調な滑り出しであり、好調な結果ととらえている。受注高は、日本および海外の大型案件の獲得などにより増加している」と語った。
売上高は、日本セグメントではすべての分野で増収となり、海外セグメントもすべてのユニットで増収となった。また営業利益は、日本セグメントは増収効果によって増益となったものの、海外セグメントは減益となった。だが、2025年度に売却したデータセンターの非連結化の影響40億円などを除くと増益になるという。
なお、第1四半期は好調な業績となったものの、2026年度(2026年4月~2027年3月)の連結業績見通しは据え置いた。売上高は前年比3.7%増の5兆1900億円、営業利益は同3.7%減の4700億円、当期利益は同15.1%減の2250億円である。また、受注高では、データセンター事業を除き、5兆2000億円を計画している。
2026年度第1四半期のセグメント別の業績は、日本セグメントの売上高は前年同期比9.5%増の5017億円、営業利益は同27.8%増の451億円。受注高は同17.0%増の6104億円。そのうち、公共・社会基盤の売上高が前年同期比13.4%増の1999億円、営業利益は同48.7%増の223億円。受注高は同14.0%増の2635億円。金融の売上高が前年同期比5.1%増の1819億円、営業利益は同25.1%増の239億円。受注高は同22.8%増の2183億円。法人の売上高は前年同期比7.5%増の1499億円、営業利益は同12.2%増の165億円。受注高は同14.6%増の1042億円となった。
公共・社会基盤分野は、中央府省向けが好調。金融分野は保険業界向けや、バンキング向けなどを中心に増収増益となった。また、法人分野はエンターテインメント産業向けが好調だった。
受注高は、公共・社会基盤分野および金融分野で大型案件を獲得するなど、すべての分野で前年実績を上回っている。
一方、海外セグメントは、売上高は前年同期比21.0%増の7921億円、営業利益は同5.3%減の143億円。受注高は同41.5%増の8496億円となった。GTSS(Global Technology and Solution Services)のデータセンター事業と、EMEALでの大型案件の受注があったという。
ユニット別の内訳は、North Americaの売上高が前年同期比22.3%増の1679億円、Adjusted EBITAは同15.9%増の102億円。受注高は同24.5%増の1947億円。「ネットワーク機器関連事業の規模拡大により、増収増益となった」という。EMEALの売上高は前年同期比21.1%増の2972億円、Adjusted EBITAは同78.3%増の123億円。受注高は同41.1%増の3359億円。「スペイン、中南米におけるITサービス事業の拡大や、間接部門の効率化などにより増収増益となった」とした。
APACの売上高が前年同期比17.7%増の966億円、Adjusted EBITAは同45.2%減の34億円。受注高は同23.7%増の1119億円。「オーストラリアで粗利益が減少した。その一方で、APAC全体では、コンサルティング部門の強化を進めている」という。
GTSSの売上高は前年同期比15.6%増の2450億円、Adjusted EBITAは同4.8%増の262億円。受注高は同77.1%増の2044億円。「為替の影響を除くと減益だが、実質的には増益になっている」と述べた。
なお、海外セグメントに含まれるデータセンター事業の売上高は前年同期比21.6%増の733億円、EBITDAが同1.8%増の389億円、営業利益が同9.5%減の191億円となった。
先述したように、2025年度に売却したデータセンターの非連結化の影響があり、EBITDAが減少。また、一過性収入の対前年での減少や、利益率の低い初期構築工事の売上構成比が高かったため、EBITDAマージンが減少している。
だが、受注高は前年同期比146.2%増の990億円を達成。また、2026年6月末時点の受注残高は3兆3203億円となっており、2026年3月末に比べて、1206億円増加した。受注動向からも、旺盛なデータセンター需要が継続していることが示されている。
さらに、第1四半期におけるデータセンターへの投資実績は、前年同期比41.1%増の1012億円となった。なお、2026年通期の投資計画は前年比33.6%増の5050億円としている。
中山社長 CEOは、「第1四半期のデータセンターへの投資実績は順調に進捗している。サービス提供状況や収支実績も、計画通りに推移している」と述べた。
NTTデータグループでは、グローバルのデータセンター全体で、2026年6月時点で約1630MWを提供。2026年度には、約410MWの提供を新たに開始することで、2027年3月時点には約2040MWにまで拡大する計画を打ち出している。
注力領域の「AI」ビジネスを加速、新組織の成果やM&Aによる体制強化も推進
NTTデータグループでは、「Quality Growth(質を伴った成長)」の実現に向けて、「AI-empowered New Value & Productivity」および「Next-Gen Infrastructure」を、注力領域に位置づけている。
特に、「AI-empowered New Value & Productivity」では、業界特化型AIとコアAIプラットフォームを組み合わせて、顧客が直面する業界固有の課題や業務プロセスに最適化したAI活用を推進。その中核的役割を担う組織として、NTT DATA AIVistaを2025年12月に米国シリコンバレーに設立した。
中山社長 CEOは、NTT DATA AIVistaの設立から約半年間の成果について説明。「事業が計画通りに進んでいる」として、次のように語った。
「NTT DATA AIVistaは、業界特化型AIエージェントの実現に向けて、コアAIプラットフォームの提供を開始している。保険業界向けBPO業務への先行導入では、高い精度を発揮しており、欧米で複数顧客から案件を受注している。今後は、製造業のサプライチェーンマネジメントにも適用するなど、ほかの業界にも展開をしていくことになる」。
また、NTT DATA AIVistaによる国内向けの取り組みについても触れた。
「銀行や保険業界への展開を進めている。具体的には、保険商品の申し込み受付を、AIエージェントによって自動化するといった取り組みである。保険商品は手続きが複雑であり、一般的なLLMでは6~7割程度の自動化にとどまり、人による手作業が残ってしまう。しかし、NTT DATA AIVistaによる高精度AIエージェントを活用することで、90%以上の業務を自動化できる」とした。
業務の自動化によって生産性を高められるだけでなく、新たなサービスを導入する際にもAIエージェントによる業務の自動化が容易になるメリットがあり、新規サービス導入の迅速化にもつながるという。
NTT DATA AIVistaは、約20人規模の組織ではあるが、「まだ顧客数は少ないものの、将来的にはスケールできるビジネスになる。さらに、NTTグループ内でもNTT DATA AIVistaの成果を活用していくことになる」と語った。
一方で、直近のトピックスのひとつとして、フロンティアAIによるサイバーリスク対応サービスの提供を開始したことを挙げた。
2026年7月から提供を開始した同サービスは、NTTデータグループが持つ複数のフロンティアAIの検証知見と、同社が持つ1万システム以上の運用実績を活用して、脆弱性への対応を一貫支援するものだ。
「要件に応じた最適なフロンティアAIの適用」、「NTTドコモビジネスと連携したフルスタックのセキュリティ知見による分析」、「重要システムの運用実績を踏まえた情報提供および運用支援」を特徴としており、「NTTデータグループが持つ開発力や重要システムの運用実績をもとに、NTTドコモビジネスが有するネットワーク領域のセキュリティ知見を組み合わせることで、安全なデジタル社会の実現に貢献できる」とした。
現時点で、50社以上からの問い合わせがあり、今後は、サービス内容のさらなる充実を図るという。
さらに、「AIを顧客業務変革へつなげるケイパビリティの強化」として、NTT西日本グループとの合弁会社である「NTTマーケティングアクトProCX」を2026年10月に設立し、NTTデータグループのAIプラットフォーム「LITRON」を活用することでBPS(ビジネスプロセスサービス)事業を強化、2030年度には売上高1000億円を目指す計画も明らかにした。
また、北米市場におけるAIビジネスのケイパビリティの強化に向けて、米WinWire Technologiesを買収。「米WinWire Technologiesが持つAI、データ、クラウド領域の実装力と、NTTデータグループの業界知見、グローバルの顧客基盤を組み合わせて、北米を中心にAIビジネスの成長を加速する」と述べた。
米WinWire Technologiesには、1000人超のMicrosoft AzureおよびAIに関する専門人材が在籍しており、AI、データ、クラウド領域でのケイパビリティ拡充につながるとしている。






