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孫正義氏の500億ドル投資 米メディアはどう見た?
2016年12月12日 09:10
「不明確」「曖昧」
米メディアは、投資の具体的な内容が分からないとして、このパフォーマンスを冷静に伝えている。
例えば、Forbesは不明確な点が多いと指摘し、「ソフトバンクの担当者に問い合わせたがコメントはなかった。一つの疑問がある。孫氏はTrump氏に対して、ソフトバンクの投資の全てが米国国土上に向けられると言ったのだろうか? これはファンドが最初に発表された時とは、違うのではないか」。
米国に投資するのはソフトバンクではなく、同社が作る「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」からとなる。このファンドは(Trump氏当選前の)10月に発表された。1000億ドル規模を目指すファンドで、ソフトバンクが250億ドル、サウジアラビア王国のPublic Investment Fund(PIF)が450億ドルを拠出するというが、残り300億ドルはまだ決定していない。
Business Insiderは「この合意は一見、米国に雇用を創出しようというソフトバンクからの直接の投資に見えるが、よくよく見ると詳細はまだ不明確で、回答されてない部分も多い」とする。また、このファンドがハイテク分野への投資を目的としていることも付記する。
Business Insiderはまた、「5万人の雇用」についても疑問を投げかける。「企業に投資し、その企業が計5万人を雇用することになるのか、既に5万人の米国人を雇用している企業に投資するのか分からない」と記し、おそらくは前者だろうが、「曖昧さから、このベンチャーファンドと(4年という)時間枠から、どれだけの雇用が生まれると期待して良いのかの洞察は得られない」と続けている。
Wall Street Journalは「(投資は)米国の新しいスタートアップに行う」という孫氏のコメントを紹介しながら、「スタートアップへの投資のみを通じて5万人の雇用創出は難しい」と指摘している。ソフトバンクが取得した通信事業者の従業員Sprintは3万人であり、先にレイオフを明らかにしたばかりだ。
また、プレゼン資料の右側にある「Foxconn」の文字、そしてその下にある「70億ドルの投資、5万人の雇用」についても不明確だ。これまでのところ、Focxonn側はこれについて沈黙している。