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交通機関が標的に サンフランシスコ市営鉄道ハッキング
2016年12月5日 08:52
週末のサンフランシスコで大規模なハッキング事件が起こった。市民・観光客の足であるサンフランシスコ市営鉄道(通称MUNI)を運営するサンフランシスコ市交通局(STMTA)の局内システムがハッカーの攻撃を受けてダウンした。MUNIを機能不全に陥れたのは、データを暗号化して身代金を要求するランサムウェアだった。長い歴史を誇るMUNIがハッキングで機能停止にまで追い込まれたのは初めてのことだ。
「おまえはハックされた」
STMTAは、シスコ名物の路面電車、ケーブルカーを含む市内のバス・地下鉄・路面電車を運行しており、総利用者は平日70万人にのぼるという。事件は11月25日金曜日の夜に起こった。「おまえはハックされた。全てのデータは暗号化されている。鍵が欲しければ、cryptom27@yandex.comに連絡を取れ」とSTMTAの多くのパソコン画面に一斉に表示された。鍵に対しては100ビットコイン(7万3000ドル相当)を要求した。
SFMTAは調査と復旧に取りかかるとともに、声明を出した。「ランサムウェアの被害を受けた。電子メールを含む局内のコンピューターシステムが停止している。輸送サービスには影響はなく、バスや地下鉄の安全運行にも支障はない。顧客の個人情報、支払いデータの問題もない。システムの復旧に全力をあげる」という内容である。
MUNIで利用している支払い用非接触ICカード「クリッパーカード」は、別の機関が管理をしているため影響を受けなかった。しかし、地下鉄の料金システムは停止してしまったため、券売機を停止して、乗客には日曜日の朝まで2日間、無料で乗れるよう開放した。幸い、大きな混乱にはならず、これを何かのイベントだと思ってしまった市民も多かったという。
そしてSFMTAは、用意してあったバックアップでシステムの復旧に成功し、日曜の朝に券売機が復活。月曜の朝には全体がほぼ通常の状態に戻った。