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「Google Cloud」発表、Pokemon Goの実績ひっさげ

 Google(Alphabet傘下)が企業向けクラウド事業を再編し、ブランド名を「Google Cloud」として統一した。AWS(Amazon Web Services)、Microsoftの2強に大きく水をあけられているエンタープライズクラウドに本腰を入れる。同社はこれに合わせる形で、同社のクラウドデータベースとコンテナを基盤に先ごろローンチした「Pokemon Go」が、想定の50倍超のトラフィックをさばいた舞台裏を公表した。

エンタープライズクラウドを「Google Cloud」に統合

 Googleは9月29日、「Google Cloud Platform」として提供してきた開発者向けクラウドのブランドを「Google Cloud」に統合すると発表した。Gmail、Google Drive、Google Docsなどの個人向けの製品は「G Suite」となる。Googleはまた、一部アプリケーションをAIで強化するほか、G Suiteでは、コラボレーションと分析機能を追加した。

 発表は、Google Cloudシニアバイスプレジデントを務めるDiane Greene氏から行われた。Greene氏は「Google Cloudは単なる製品以上のもの」と述べ、顧客ともに進める点を強調した。「デジタルトランスフォーメーションとクラウドへの移行は技術的なプロセスであり、カスタマーエンジニア、カスタマー信頼性のためのエンジニア、サイトの信頼性のためのエンジニア、製品エンジニアなどが顧客の移行、実装、進化を支援する」と述べている。

 パブリッククラウドでのAWSの勢いは相変わらずだ。2番手にはエンタープライズでの既存顧客をテコに顧客を伸ばす「Azure」のMicrosoftが続く。Googleは後塵を拝し続けている。IaaSは規模がモノをいう世界であり、グローバルで生き残れるのはほんの一握りと予想されている。GoogleはVMwareで長らくCEOを務めたGreene氏を引き抜いて責任者に据えるなどの手を打ってきた。

 Fortuneは、生産性ツールなどではGoogleは成功を収めていると認めながらも、「多くの人はいまでもGoogleは主にインターネット検索と広告の企業とみている」と現状を指摘する。エンタープライズ分野では、機械学習、データセンターネットワーキング、コンテナなどによって開発者とIT運用者とが、アプリの構築や管理を、より簡単に効率よくできる、とGoogleの取り組みも紹介した。

 Reutersは、Greene氏が「(競合との)距離を急ピッチで縮めている」と述べたと伝えている。そして、「AmazonとMicrosoftを追う立場にあるが、Greene氏の下でシェアを伸ばしている」というアナリストのコメントを紹介している。