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「Google Cloud」発表、Pokemon Goの実績ひっさげ

「Pokemon Go」を支えたGoogle Cloud

 ここで勢いをつけたいGoogleだが、アピールに格好の材料があった。新ブランド発表の日、GoogleはPokemon Goのアプリを支えたGoogle Cloudの技術や爆発的なトラフィックへの対応などの“舞台裏”を明かした。Pokemon Goを開発したNianticはGoogleのスピンオフで、その関係からGoogleのクラウドを利用している。

 Googleのブログによると、Pokemon Goのプライマリのデータベースは「Google Datastore」、アプリのロジックは Googleが開発を主導するオープンソースのコンテナオーケストレーション「Kubernetes」を基盤としたコンテナエンジン「Google Container Engine(GKE)」上で動かしていた。

 この技術コンポーネントを使って、Nianticは想定トラフィックに加え、最悪のケースとして想定トラフィックの5倍のトラフィックを想定してシステムを構築した。だが、ローンチするや、あっという間に5倍を超え、50倍にまで達した。そこで両社はチームを組んで協業することになった。

 これは、NianticのCEO、John Hanke氏が9月中旬のイベント「TechCrunch Disrupt」で語った話と一致する。Business Insiderによると、Hanke氏は迅速な対応を求めるため、GoogleCEOのSundar Pichai氏に連絡を取り、強化を依頼したという。

 7月6日、オーストラリアとニュージーランドでのPokemon Goのローンチからわずか15分ぐらいで、トラフィックはNianticの想定を超えた。これを受け、NianticはGoogleに特別なコラボレーションを要請する。次の米国ローンチを控えており、さらなるパワーが必要だったからだ。

 「ゲームの安定性に問題が出てくると、NianticとGoogleの両方の開発者は各問題に連続的に対応し、迅速に解決策を見出して実装していった」とGoogleは述べている。中でも、数千のノードを追加できるというGKEの最新版へのアップデートについては、既存ユーザーのゲーム体験を中断させることなく、さらには世界中の新規ユーザーの参加に応じながら行ったという。

 Pokemon Goは公開2カ月で累計ダウンロードが5億回というモバイルアプリとして歴史的なヒットとなった。Hanke氏は「(もし)事前に想定していたとしても、必要なキャパをすぐに集められなかっただろう」「われわれの計画を話しても、頭がおかしいと思われただろう」と語っている。

 GoogleはPokemon GoでのNianticとの協業から学び、「Google Customer Reliability Engineering(CRE)」というサービスを作った。Googleのエンジニアが顧客と密に協業するエンゲージメントモデルだ。