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「2025年までにAI産業で世界をリード」 中国のAI熱

「AI強国」目指す

 AI分野は世界の先端企業、公立研究機関までがしのぎを削っている。これまでのITで米国に圧倒された中国には次世代技術で勝つ希望でもある。中国国務院の国家発展改革委員会は今年5月、「インターネット+人工知能」三カ年行動実施案を打ち出し、同国のAI技術を2018年までに世界と同水準にするとの目標を掲げた。コア技術を推進し、中堅企業を育成して、1000億元規模(約1兆5300億円)の市場を創り出すという。さらに同国の専門家は「追いつき、追い越すことができる」と考えている。

 8月26、27の両日、北京で開催された中国人工知能学会では、同学会副理事長で中国科学院副院長も務めるTan Tieniu氏が「次の10年からそれ以上の中長期的なAI研究・開発計画を策定すべきだ」と提案。「そうすることで、中国は2025年までにAI産業で世界をリードできる」とぶち上げた。新華社が伝えている。

 何より、中国にはAI分野で他国よりも優位に立てる要素、「膨大なデータ」があるという。The Next Webは「中国の消費者はデータ生成マシン」と言い、次のように指摘する。

 「CNNIC(China Internet Network Information Center)によると、中国のモバイルインターネットユーザーの70%以上は、モバイルコマースを利用している。これは米国の31%に比べて2倍以上だ。中国のユーザーと企業が新しいテクノロジーの採用に素早いことを示している」

 また、「McKinseyの2016年版中国消費者レポートによると、2015年の中国のeコマース市場規模は6150億ドルで、欧州と米国を合わせた規模。中国は世界最大のeコマース市場である」

 「消費者はますますオンラインやモバイルデバイスで購入し、結果として、支払いアプリケーションやeコマースサイトには、膨大なデータが集積される」という。

 Baiduに限らず、中国企業はここに勝算があると考えている。BaiduのAndrew Ng博士も「データは、防御壁になる」とインタビューで語っている。