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「2025年までにAI産業で世界をリード」 中国のAI熱

百花繚乱の新興企業

 大手だけではない。後発・新興のテクノロジー企業も資金調達や、研究開発や優秀な人材の獲得に奔走中だ。

 Appleから10億ドルの出資を受けたことで知られ、Uberを中国市場撤退に追いやった配車サービス大手のDidi Chuxing(滴滴出行)は、今年4月、機械学習の研究所Didi Researchを設立した。主に交通関連技術のAI技術の開発を手がける。「1日あたり50テラバイトのリアルタイム・トランジットデータと、90万回に及ぶルートプラン」が自社のアドバンテージだとしている。

 Siri風のバーチャルアシスタントを持つ音声認識技術のiFLYTEKは投資を強化中で、China Dailyによると第1フェーズとして10億元(約153億円)の出資を日本の英語学習関連企業から受けた。2011年創業で、顔認識技術でセキュリティ分野などに拡大するMegviiは最近、Lenovo Capitalの出資を受けている。

 AI企業への大型投資には、中国経済減速で投資先を失ったマネーがAI分野に流れ込んでいるという面もあるが、テクノロジー企業にはありがたい状態だ。

 一方、少々気になるニュースもある。China Aerospace and Industry(中国航天科工集団)の上級技術者が8月中旬、China Dailyに対して「次世代の巡航ミサイルにAIを搭載する」と発言。欧米メディアを騒がせた。

 素晴らしいテクノロジーのAIの使い方としては、残念なものだ。