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Google Cloudが顧客のサービスを一方的に停止? 医療ベンチャーの訴え

「教訓」

 Trotter氏の投稿は大きな反響を呼んだ。ユーザー投稿のフォーラムHacker Newsには多数のスレッドが立ち、多くのコメントが書き込まれた。次のようなものだ。

 「Googleのサポートが標準に満たないのは、驚きでもなんでもない。Google製品はハッピーなユーザーはハッピーになるが、何かがうまくいかなくなったときに説明はないまま取り残される」「存在しないボタンを参照するのはDropboxも同じ」「Googleは顧客サポートをマシンに頼りすぎている。理由はわかるが、マシンは人間が顧客サポートをするのと比較するとはるかに劣る」「どうすればGoogleのスタッフにリーチできるのか?」などなど。

 その中に、GoogleのCloud Support TeamのTerranceと名乗る人物がおり、「われわれのチームのミッションは、顧客の不安を減らすことだ」と書き込んでいる。そして、Trotter氏に起こったことを再調査しているとし述べた。だが、これにはさらなる批判が出た。

 「“なくす”ではなく“減らす”と聞くと、さらに不安を覚える」「“減らす”というマインドセットは、BtoBサービスでは不適切だ」など。また、Google Cloudで同じような経験をしたという人物は「われわれ顧客がGoogle Cloudにビジネスを置いているということを理解してほしい。(Googleが)プロジェクトをオフにすることは、誰かのビジネスを停止させるのと同じことだ」と訴えた。

 Business Insiderは、この件についてのGoogle Cloudのサポートの未熟さを指摘する。「Googleはまだ真に、他のクラウド各社が得ているほどの信頼を得ていない、と複数のソースがわれわれに言った。未成熟であるという評判だ」。また、ライバルAWSのCTO、Werner Vogels氏が「他のクラウドプロバイダーは、AWSの5年、6年前のような状態だ」とGoogleを暗に指しながら述べたエピソードを紹介する。Vogels氏は、Googleクラウドを利用しているといわれる「Pokemon Go」のサービス障害時も、Pokemon Goを運営するNiantic Labsに対し、「支援できることがあれば、知らせてくれ」とツイートしたという。

 Googleの広報担当はBusiness Insiderに対し、CareSetへの対応は通常のものではなかったが、こうしたことが以後、起こらないよう、改善の評価をしていると説明。「いったん報告を受ければ、Googleは顧客とともに問題を見つけ出すために働き、さまざまな顧客サポートパッケージを販売する」と述べたという。

 Fortuneは、CareSetとGoogleそれぞれに反省点があるとしている。すなわち、(1)顧客はシステムを適切に設定しなければならない、(2)クラウド事業者は問題があるときは明確で簡潔に伝えなければならない、(3)ユーザーが1つだけのクラウドに依存するのはリスクがある――の3つだ。

 Trotter氏はその後、Google Nearlineに加えて、Amazon Web Servicesの競合サービス「Amazon Glacier」を利用することも検討しているとのことだ。