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Google Cloudが顧客のサービスを一方的に停止? 医療ベンチャーの訴え

ソーシャルに訴え、4時間後に復旧

 Trotter氏らが被った被害が大きかったことは想像に難くない。サービスが止まっただけではない。問題を理解し対策を講じようとボタンを探し回ったり、Googleサービスに問い合わせたりした時間を考慮すると、スタートアップには痛い、時間的、金銭的損失になったろう。

 何といっても、「技術的問題が自分たちでは解明できない」「問題解決が手順通りにいかない」というストレスが大きかったはずだ。Trotter氏は「問題が何なのかさっぱりわからない。どこを調べるべきかの詳細な情報をGoogleは一切くれなかった」とつづっている。どの点でルールを破っているのか知りたかったのだが、Googleが問題視するトラフィックパターンがどこにあるのか分からなかったと説明している。

 Trotter氏のストレスに輪をかけたのが、Googleの自動化メッセージだ。あるはずのボタンが探せないし、サポートにメッセージを送っても返事がない――。ブログの最後はこう述べている。「Googleは確かに高機能を提供する。だが、脅威へのレスポンスの態度、すなわち“無実であると証明するまでは有罪だが、実証する手段はない”という姿勢をとっている。これをGoogleが改めるまでは、安全に使えるクラウドとはいえない」としている。

 Trotter氏が、このブログをツイートすると、またたく間に拡散した。その影響か、4時間もしないうちに、Googleはアカウントを復旧させたという。一方、Trotter氏は、復旧を、個人ブログからではなくCareSetの公式ブログで報告し、その中で自分たちに技術的ミスがあったことを認めている。

 「われわれのサーバーの1台がGoogleにとって問題だったようだ。結論から言うと、Googleがサーバーをシャットダウンするのは理にかなっていた。それでも、コミュニケーションには改善すべき点が多い」と述べている。技術的には、CareSet側のサーバー設定が正しく行われておらず、セキュリティホールが露出していたため、ハッカーがこれを利用してDDoS攻撃を仕掛けていたという。CareSetへの冤罪というわけではなかったのだ。