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IoTの「モノ」再考 重要なのはデバイスではない

 「Internet of Things」(IoT)は、インターネットの黎明期からのコンセプトだ。ビジョナリーたちは、あらゆるモノがインターネットにつながる未来を予想し「モノのインターネット」と呼んだ。そのIoTが急速に進展している。だが、そもそもIoTとはどういうことなのだろうか。特に“things=モノ”の意味について、再考する論説が増えている。

「過度な期待期」に入ったIoT

 「IoT」は、あらゆるモノにセンサーや通信モジュールが入ってネットワークに接続され、遠隔から利用や状況についての把握や制御ができる――。ネットワークとハードウェアの発展を考えれば、ある意味、必然的な姿だろう。

 これまでのネットワーク機器の主役は、人間が直接使用するPCや携帯電話などの端末だったが、電気メーターや産業機器にも次々に通信モジュールが内蔵されるようになっている。これによって“スマート”なネットワークが生まれ、計測の自動化や予防的なメンテナンスができるというのがメリットの一つだ。また、冷蔵庫や空調などの家電や駐車場のドアに通信モジュールを入れることで、ホームユーザーによる遠隔操作も可能になる。

 そのIoTがいよいよ現実のものとなり、日常的にニュースで取り上げられている。Gartnerが発表した最新の技術トレンドでも、IoTプラットフォームは黎明期から「過度な期待」(hype)のピーク期に入った。Business Insiderの調査部門BI Intelligenceでは、2020年までにIoTデバイスの数は240億台に達すると予想する。これは地球上の人間1人に対してデバイスが4台という計算になる。