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法人向けサブスクリプション版Windowsリリースへ、コンシューマー向けは?

コンシューマー向けは?

 Microsoftは「デバイスとサービス」「モバイルファースト、クラウドファースト」を掲げて、クライアント/サーバーからクラウドへのパラダイムシフトに対応する戦略を進めてきた。クラウドではAzureを核として、ドル箱の「Office」をクラウド製品の「Office 365」に移行。さらにiOSなどライバルのモバイルプラットフォームにも対応させた。そしていよいよ、OSを「サービス」として販売する段階に来たようだ。

 「Microsoftは以前からWindows 10を“as a Service”と説明してきたが、これで分かった。Windows 10には月額サブスクリプションを適用するつもりなのだ」とテクノロジージャーナリストのGordon Kelly氏は、Forbesへの寄稿で述べている。

 今回のE3は法人向けで、一般のコンシューマーは利用できない。だが、Kelly氏はコンシューマー向けのサブスクリプション版Windows 10をMicrosoftは「間違いなく提供する」と予想する。ただし、いまWindows 10にアップグレードしたユーザーに対して、サブスクリプション版Windows 10を提供するかといえば、それはないとみる。

 同氏は、MicrosoftがWindows 10を“Windowsの最後のバージョン”と何度も呼んでいることを挙げ、「これはアップデートがロールアップベースで行われ、Windows 11(という後継OS)が取って代わるのでないことを意味する」と言う。「となると、無償アップデートを、いつか、どこかで打ち切るポイントがなければならない」と予想する。そして、「そのポイントで、MicrosoftはWindows 10を単なる『Windows』に改称し、全てのWindowsがサブスクリプションになるのではないか」と述べている。

 PC Worldも、サービスとしてのWindowsにスポットを当てている。Satya Nadella CEOは、2015年春にWindowsとデバイスグループ(WDG)のトップにTerry Myerson氏を任命した際、「WDGは“Windows as a Service”を全ての種類のデバイスで推進し、『Surface』『HoloLens』『Lumia』『Surface Hub』『Band』『Xbox』とMicrosoftの全ての製品を構築する」と社員向けのメールで説明した。

 この時、Microsoftの幹部は「Windowsライセンス、あるいはWindows 10デバイスを購入することは、デバイスの寿命の限り、Windowsライセンスが続く」ことを明確にしたが、「同時に、追加のサービスに対しても料金を支払ってもらいたい、ということも述べている」と指摘している。

 その追加サービスの中心が Microsoftが強化しているセキュリティサービスだが、中小規模をはじめ企業にはニーズがあっても「コンシューマーはあまりアピールしないだろう」とみる。MicrosoftがWindows 7/8.1でパッチとアップデートを終了する計画であることに触れた上で、「“最後のWindows”であるWindows 10を2023年にもサポートするだろうか?」と疑問を投げかけて締めくくっている。