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法人向けサブスクリプション版Windowsリリースへ、コンシューマー向けは?

 「Windows 10」のリリースから1年。Microsoftは8月2日の大型アップデート「Windows 10 Anniversary Update」のリリースを前に、初のサブスクリプション形式のWindowsを発表した。パッケージソフトで成長してきた同社だが、クラウド時代に体制を移行させている。今回は法人向けのみの発表だが、コンシューマー向けはあるのだろうか。「Windows as a Service」をどのようにかじ取りしてゆくのだろうか。

サブスクリプション版Windows 10販売へ

 Windows 10のサブスクリプション販売は、7月にカナダ・トロントで開催した「Worldwide Partner Conference(WPC)」で発表した。具体的には、クラウド製品の再販パートナープログラム「Cloud Solution Provider」(CSP)のチャネルで「Windows 10 Enterprise E3」という新エディションを販売する。Microsoftの直接販売はなくCSP経由のみとなる。

 提供は今秋からで、サブスクリプション価格は月額7ドル。年間だと84ドル。「1ユーザーあたりコーヒー1杯とドーナツの金額で、エンタープライズ級のセキュリティを備えたサブスクリプションを利用できる」(MicrosoftのWindowsとデバイス事業部コーポレートバイスプレジデントのYusuf Mehdi氏)という。

 公式ブログでは「パートナーはWindows 10、Office 365、Azure、Dynamics CRMと、Microsoftの“フルITスタック”を、単一のチャネルから月額サブスクリプションで顧客に提供できる。企業はニーズの変化に合わせたスケールの拡大・縮小が可能だ」と説明する。

 MicrosoftはWindows 10ラインアップの整理と名称変更も進めている。Windows 10 Enterpriseには、今回発表した「E3」のほかに、新セキュリティサービスの「Windows Defender Advanced Threat Protection(ATP)」を含んだ「Windows 10 Enterprise E5」を合わせた2種類を用意する。ローエンドのE3に対し、E5はハイエンドの位置付けで、こちらの価格は公表していない。

 製品体系を整理したMicrosoftウォッチャーのMary Jo Foley氏によると、E3とE5は7月初めに発表された「Secure Productive Enterprise」バンドルとしても提供される。Secure Productive Enterpriseは、これまで「Enterprise Cloud Suite(ECS)」として提供されてきたオールインワン型のクラウドソリューションで、やはりE3(Secure Productive Enterprise offering E3)とE5(Secure Productive Enterprise offering E5)の2種類があり、E3は「Office 365 E3」「Enterprise Mobility + Security E3」「Windows 10 Enterprise E3」で構成される。