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「サーバーレス」は次の潮流? クラウドのサーバー管理が不要に

オンデマンドコンピューティングの究極形?

 サーバーレスはAWSの独断場ではない。IBMも6月後半「Bluemix OpenWhisk」として、同社のパブリッククラウドプラットフォーム「Bluemix」上で動くイベントベースのプログラミングサービスを発表している。またMicrosoftは「Azure Functions」を、Googleは「Cloud Functions」を提供している。

 The Registerはまた、MicrosoftなどAWS以外のクラウド事業者も「以前から仮想マシンやコンテナを管理することなくアプリケーションを動かすことができるサービスを提供していた」とも言う。だが、AWSが力を入れることで、サーバーレスは大きな影響力を持つようになると考えられる。AWSはサーバーレスの推進で、サーバーレスフレームワークの「Flourish」をオープンソースにしたほか、JavaScriptに加えて、Node.js、Pythonもサポートした。

 業界としても動き出している。今年5月末にはサーバーレスに特化したイベント「Serverless Conference」が初めて開催された。AWS、Microsoft、IBM、Googleなどの大手のほか、AWS Lambda、AWS API Gatewayをベースにしたアプリケーションフレームワーク「Serverless Framework」のServerlessや、IOpipe、StackHutなど、この分野のプロジェクト、ベンチャー企業も参加した。

 Serverless Conferenceに参加したRed MonkのアナリストJames Governor氏は「サーバーレスは大きなものになる」と予言。「オンデマンドコンピューティングが自然な結論に行き着いた」「結局のところ、経済なのだ。スケールのオペレーションがもたらした副産物ともいえる」と説明している。そして、カンファレンス参加者の次の言葉を紹介する。「AWS Lambdaは、ストレージにAmazon S3がもたらしたものをコンピュートにもたらす」。

 サーバーレスはクラウド業界を席巻してゆくのだろうか――。クラウド事業者自身がトレンドを作り始めたという点でも興味深い。