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“ノークラウド企業”は2020年までに絶滅 「クラウドオンリー」も拡大
2016年7月11日 11:38
クラウドコンピューティングは、すべての企業システムに浸透するのか――。クラウドが拡大し始めたときから投げかけられてきた疑問だ。これに対し今、アナリストは「イエス」と答える。Gartnerが先ごろ発表した調査結果によると、2020年までに、ほぼ全ての企業がクラウドを採用し、「クラウドを利用しない企業」は、いなくなるという。専門メディアやアナリストも、これは十分納得できる予想だとしている。
クラウドは「デフォルトオプション」
「クラウドは、ソフトウェアのデプロイにおいて、ますます“デフォルトオプション”(最初の選択肢)になってゆくだろう。カスタムソフトについても、パブリックあるいはプライベートクラウド向けに設計されるようになっており、同様だ」と、Gartnerのリサーチヴァイスプレジデント、Jeffrey Mann氏は述べている。同社の新しい調査レポート「Market Insight: Cloud Computing's Drive to Digital Business Creates Opportunities for Providers」(市場展望:デジタルビジネスを推進するクラウドコンピューティングは、プロバイダーの新しい機会を生むか)のコメントだ。
クラウドの黎明期には、クラウドの信頼性やセキュリティへの懸念が取り上げられ、実際にサービスが停止するという事故も起こった。クリティカルなサービスやデータをクラウドに置くことを躊躇するユーザーも多く、このことが企業の「ノークラウド」(クラウド拒否)ポリシーを生んだ。しかし、レポートによると、こうしたポリシーをとる企業は、ちょうど「ノーインターネット」ポリシーをとる企業がいなくなってしまったように、あと数年で、ほぼいなくなるという(すべてのシステムがクラウドベースになるのではなく、ものによっては懸念も残る、と注記している)。
Gartnerはさらに、ソフトウェア開発でのクラウドアプリケーションの勢いを挙げる。レポートでは、2019年までに、大手ソフトウェアベンダー上位100社のうち30%で、新しいソフトへの投資が「クラウドファースト」(クラウド第一)から「クラウドオンリー」(クラウドのみ)に移行するだろうと予想する。現在、多くの大手プロバイダーが、移行あるいは移行に向けた検討をしているところだという。
またアプリケーションの構成にも変化が起こり、クラウドでしか利用できないアプリケーションが急増しているという。GartnerフェローでリサーチヴァイスプレジデントのYefim Natis氏は「より先端のIT機能は、クラウドでしか利用できなくなり、このことが、これまでクラウドの採用に消極的だった企業にも採用を強いる」と説明している。