2020年9月29日 06:00
Ryobi-IDC第3センター
両備システムズ
https://www.ryobi.co.jp/products/dc-3data-center
両備システムズは2020年9月、岡山に第3棟目のデータセンターとなる「Ryobi-IDC第3センター」をオープンした。自然災害が少なく交通の便にも優れた立地条件に加え、ティア2〜4まで要件に応じて選択可能なファシリティを用意。さらに同社のBPOセンターとの連携により、業務アウトソーシングにもワンストップで対応可能な第3センターは、公共機関・企業の利用だけでなく、データセンター事業者の「DC in DC」としても最適だ。
利用者増とハイブリッド化への要望に応えるため新データセンターを開設
両備システムズは2020年9月、延床面積約3,100平方メートル、最大520ラックに対応する「Ryobi-IDC 第3センター」(以下、第3センター)を新たに開設した。その名が示す通り、第3棟目となる同センターが開設された背景には、第1・第2センターが満床となったこと、そして、急増するハイブリッドクラウド化へのニーズへの対応があったという。
同社のデータセンターは、これまでも、官公庁・自治体とサービス事業者を統合行政ネットワーク(LGWAN)を通じてセキュアに接続する『LGWAN-ASP接続サービス』を提供し好評を得ていた。また、コロケーションやBCP/DRの用途としても、岡山近隣だけでなく関東・関西圏の多くの民間企業が利用しており、堅牢なファシリティや高いサービスレベル、運用オペレータまで全員が社員であるといった信頼性が評価され、近年ではメインサイトとしての利用も増加しているという。
「昨今、パブリッククラウドとオンプレミスを連携させたシステム構築ニーズが増加しており、そうした声に応えられる柔軟性と拡張性、そしてセキュリティを確保した“ハイブリッド型データセンター”として、第3センターを開設しました」と執行役員 クラウドサービスカンパニー クラウドビジネス事業部 事業部長の水田稔氏は語る。
自然災害に強い好立地に多様な要件に対応する施設を整備
第3センターの優位性の1つは、抜群の立地環境だ。岡山は自然災害に強く、今後30年以内に震度6弱以上の地震が発生する確率は3〜6%、震度6強以上も0.1%未満と極めて低い。また、第3センターは標高140m以上、海岸線からも15km以上の立地にあり、近隣に河川や湖沼がないため、津波や水害等のリスクも極めて低い。交通の利便性についても岡山は中四国のクロスポイントとして鉄道、道路、空路ともに優れたアクセス性を有している。
ファシリティも最先端の仕組みが施されている。その1つが、「マルチティア構造」の採用だ。クラウドビジネス事業部 センターサービス部 センター長の小西暁氏は、「JDCC準拠のティア2〜4までサーバールームごとに異なるティアを設定できます。これにより、高信頼性・高セキュリティを求めるお客様から、コストパフォーマンスを重視するお客様まで、様々な要望に対応できるようになっています」と説明する。
また、サーバールームは「フレキシブル構造」が採られており、6〜8kVA/ラックの電力を供給する「通常ラックエリア」のほか、最大20kVA/ラックの供給電力を提供することで高集積/GPUサーバの設置にも対応する「電気高負荷エリア」、さらに専用の前室を配備した「お客様専用エリア」も用意、要件に応じて柔軟に選択可能だ(図1)。
このほか、AIの活用による最適な空調制御や、無停止でメンテナンス可能なUPS等、最新鋭の設備も導入。さらにセキュリティ面でも生体認証やIC認証に加え、情報漏えいに繋がる機器の持ち込みを確実に検知するボディスキャナを導入している。
BPOセンターとの連携も可能 DC in DCとしての利用にも最適
両備システムズの強みは、データセンターとBPOセンターが連携されており共通のプラットフォームを完備、データの入力、解析、加工、印刷、発送に加え、ヘルプデスクやCEサポートを含めた業務運用のアウトソーシングもワンストップでサポート可能なことだ(図2)。新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした、間接業務も含めたリモートワークの推進や、コア業務へのリソース集中等により、今後、BPOニーズはますます増大すると予想される。水田氏は「データセンターとBPOセンターを組み合わせたデータ入力や印刷、発送業務について公共機関様のご利用をはじめ、多くの実績を保有しています。さらに業務効率化のみならず、BCPの発動時にはデータセンターに設置されたIT設備の稼働継続に加え、業務サポートにも対応できることが当社の強みであると自負しています」と強調する。
災害に強くアクセス性に優れた立地環境と最先端のファシリティ、そしてBPOセンターとの連携による業務アウトソーシングへの対応が可能であるなど、様々な優位性を誇る第3センターは、その施設の一部を借り受けてデータセンターサービスを提供する「DC in DC」としての利用にも最適だ。
小西氏は、「当社は第2センターの設立時から、DC in DCとしての利用も見据え、複数のSI事業者、データセンター事業者様の要望を取り入れながら設計、構築した実績があります。第3センターについても3階は建物や設備を未実装の状態にしており、これからでもDC in DCとしての利用を要望する事業者様の要件を最大限に取り入れ、ファシリティから作り上げていくことが可能です」と強調する。
先述したように第3センターは専用のサーバールーム、専用の前室等を用意できるほか、他のDC in DCの利用事業者と完全にエリアを分割して提供することも可能だという。また、建物・設備を賃貸するだけでなく、事業の協同化、24時間365日の運用体制の協同化など、様々な形態でのDC in DCの利用に柔軟に対応する。このほか、BPOセンターとの併用による業務アウトソーシングや、周辺土地を利用した事務エリアの構築、さらには岡山地域内で両備グループが提供する、住居や交通といった生活基盤サービスを活用した居住支援も可能だという。
両備システムズが最終的に目指しているのは、同社のデータセンターとクラウドサービスを基軸とした「共創クラウド」の実現だ。企業のDXを支援するデータセンターとして、まずは複数の通信事業者網との接続や、マルチ/ハイブリッドクラウドへの対応をさらに強化する。そして将来的には、多種多様なビッグデータの蓄積と分析を可能とするとともに、パートナー企業との協業による“次なる一手“を創出する「共創クラウド』を具現化していく構えだ。最後に水田氏は、「資料やお見積りだけでは第3センターの信頼性や安定性、拡張性をご理解頂くのは困難です。第3センターでは見学のご希望も随時お受けしていますので、ぜひ一度現地にお越しいただき、最新鋭の設備をご確認いただくとともに、お客様の課題やご要件についてディスカッションできればと考えています」とアピールした。
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