事例紹介

幻想的な「街」で挙式できる、リゾナーレ八ヶ岳の「Zoho CRM」活用術

キャンセル率を半減できたワケ

東京・八ヶ岳の「距離」が情報共有を困難に

深水善道氏

 リゾナーレ八ヶ岳のブライダル事業では、ウェディング系雑誌や各種広告を見た顧客がWebフォームや電話から問い合わせ、来館やブライダルフェアを経て成約、というプロセスで営業を行っている。広告チーム(東京)と営業チーム(八ヶ岳)が連携しながらマーケティングを行う体制だが、距離が離れていることで情報が分断され、リアルタイムに連携することが難しくなっていた。そんな課題を解決すべく、2013年6月にZoho CRMを導入。両チームをまたがる情報を共有し、顧客管理や来客・接客分析に活用を始めた。

 導入以前、顧客情報などはファイルサーバー上に置かれたExcelファイルで共有していた。Excelは手軽でよかったが、「セキュリティ」と「共有性」の低さが課題だったと深水氏は振り返る。「例えば、東京と八ヶ岳で同時編集ができず、版管理が煩雑で、遠隔でやり取りしながらお互いが見ているデータが食い違っていることもありました。確認作業が余計に発生して、これを何とか解消すると同時に、データをリアルタイムに集計して意志決定のスピードを上げたいと考えていました」。

 データを可視化するにも人の手と時間がかかり、遠隔で齟齬をなくそうとするたびに業務が止まってしまう。「もったいない」という深水氏の思いは「いまインフラを整備しないと今後もっと大変になる」という危機感に変わっていったという。

 その解決策にZoho CRMを選んだ理由は、「想定する規模の用途で素早く導入できること」と「自分たちでカスタマイズできること」。顧客はカップルなのでリピートは原則ないこと、結婚後に名前が変わることなど、ブライダル事業の少し特殊な要件に合わせて項目をカスタマイズする必要があったという。

 「まず、Zoho CRMの無料プランでプロトタイプを作ってみて、カスタマイズが直感的にできたため、これならいけるとエンタープライズプランを導入しました」。カスタマイズはブライダル広告部門の2人で、ゾーホージャパンのサポートに相談しながら作り上げた。

(高橋 正和/川島 弘之)