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Pivotal日本法人が発足、“第3のプラットフォーム”でナンバーワンを目指す
(2013/8/1 14:57)
Pivotalジャパン株式会社は1日、米Pivotalの日本法人として設立され、営業を開始したと発表した。
Pivotalは、米EMCと米VMwareが出資して4月に設立された企業。クラウド、ソーシャル、ビッグデータ、モバイルといった、いわゆる“第3のプラットフォーム”への転換が進む中で、「そうした次世代プラットフォームの新たなテクノロジー、製品を市場へ届け、エンタープライズをサポートする」(Pivotalジャパンのカントリー・マネージャー、正井拓己氏)ために活動を進めていくという。
すでに、Greenplum、SpringSource、Cloud Foundry、GemFireなど、EMCとVMwareがかかえる関連部門がPivotalへ移籍し、新しい会社のもとでビジネスを継続している。従業員数は、ワールドワイドでは約1250名、日本法人は13名。事業規模としては、2013年3億ドル、2017年10億ドルの売り上げを見込む。
立ち上がったばかりとはいえ、すでにさまざまな製品やサービスを持つPivotalだが、同社ではこれらを3つに分けて説明する。
1つ目の「データ・ファブリック」は、データウェアハウス製品のGreenplum Database、HadoopディストリビューションのPivotal HD、インメモリデータベースのGemFireなどが含まれる領域。
Pivotalでは、ビッグデータだけでなく、例えば、さまざまなセンサーから送られてくる大量のデータをリアルタイムに処理する「ファストデータ」についても今後ニーズが拡大すると想定しており、これらを処理するプラットフォームとしても、この領域は非常に重要になる。
Pivotalのプロダクト・マーケティング&マネージメント担当バイスプレジデント、ジョッシュ・クラー氏は、Pivotal HDで提供される次世代クエリエンジン「HAWQ」を紹介し、「HIVEとの比較では50倍から500倍、競合の商用製品と比べても20倍程度高速だ」とし、自社製品の強みを訴えた。
2つ目の「アプリケーション・ファブリック」は、迅速にアプリケーションを開発・展開できるように支援する部分で、Spring FrameworkやSpring tc Server、メッセージキューイングミドルウェアのRabbitMQなどを組み合わせて提供していく。正井氏は、「ファストデータの需要が本格的に出てくると、新しいアプリケーションの開発、運用要件が求められるようになる。そこに応えられるソリューションを届けるのが役目だ」とした。
また3つ目の「クラウド・ファブリック」では、オープンソースPaaS基盤ソフトのCloud Foundryを中心に据え、エンタープライズ向けの次世代プラットフォームを提供するとのこと。「パブリック、プライベート、ハイブリッドの各クラウド環境でも、可搬性とスケーラビリティのあるプラットフォームを提供できる」(正井氏)
なお、これらの製品は単独でも提供されるが、統合製品であるPivotal Oneも2013年第4四半期より提供される見込み。最初に提供される中には、Spring Framework、tc Server、Pivotal HD、Cloud Foundryなどが統合され、以降、GemFireなどほかの製品についても統合を進めるとした。
「これまで、データを中心としたアプリケーション開発は、Yahoo!のようなコンシューマのインターネット企業が取り組んできた。しかし当社では、大量データの保管と活用が可能な基盤、迅速なアプリケーション開発、レガシーシステムとの連携といった要件を満たしたソリューションにより、エンタープライズへ軸足を置いた形で提供する」(クラー氏)。