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ゲーム理論で最適な無線LAN環境を――、アライドテレシスの自律型無線LANソリューション「AWC」

無線LANアクセスポイント「AT-TQシリーズ」がAWCに対応

 アライドテレシス株式会社は10日、無線LANアクセスポイント「AT-TQシリーズ」が自律型無線LANソリューション「AWC(Autonomous Wave Control)」に対応すると発表した。AWSを適用すると、さまざまな環境要素が影響する無線LAN環境において、従来はできなかった最適化環境の自動構築を行えるという。

 AWCは、京都大学大学院情報学研究科 守倉研究室との共同研究により、アライドテレシスが開発したもので、ゲーム理論を用いたアクセスポイントの自律制御技術により実現される。

 ゲーム理論とは、複数の要素を考慮して最適化するアルゴリズムのこと。無線LANの運用では、例えば環境の変化や、管理外のアクセスポイント(いわゆる野良アクセスポイント)など無線干渉源の影響を受け、通信に問題が発生してしまうが、既存の自動調整機能では無線強度の最適化ができておらず、端末が複数のアクセスポイントを検出してしまうことに起因しているという。

 これに対してAWCでは、管理エリア全体のアクセスポイントに最適なチャンネル、無線強度を設定することにより、端末を適切なアクセスポイントに導けることから、無線干渉源が発生しても管理エリアが最適化でき、安定した運用環境を提供できるとした。

 なおAWCは、アライドテレシス独自のSDN技術であるAMF(Allied Telesis Management Framework)対応のノード管理ソフトウェア「Vista Manager」と、AT-TQシリーズとの組み合わせで提供される。

 Vista Managerは、新版「同 Ver. 1.2.1」から、AWCへの対応、無線LAN統計管理の視覚化、AMFゲストノードの視覚化に対応。インターフェイス名の表示や死活監視に対応し、IoTデバイスとの親和性が向上している。

 一方のAT-TQシリーズでは、ファームウェア「AlliedWare Plus(AW+) Ver.4.0.1」からAWSへの対応を開始している。対応製品は以下の通り。

・AT-TQ4600
・AT-TQ4400
・AT-TQ4400e
・AT-TQ3400
・AT-TQ3200
・AT-TQ3600
・AT-TQ2450

 なお同社では、1月下旬に京都にて実証実験を行っており、その成果を確認していた。弊誌でもその模様をレポートしている(ゲーム理論で無線LAN APの電波状況を最適化できるか? アライドテレシスと京都大学が実証実験)ので、ご確認いただきたい。