クラウド特捜部

プレーヤーがそろい表舞台に立つOpenStack

Design Summitがロードマップを決める

 OpenStack Foundationの設立後、2012年9月にはバージョン6となるFolsomがリリースされ、2013年1月にバージョン7となるGrizzlyが、そして2013年10月には、現在の最新版であるHavanaがリリースされた(ちなみに、OpenStackのバージョン名はアルファベット順)。

 Folsomでは、仮想ネットワーキングのNeurtron(旧Quantum)、ブロックストレージのCinderが追加された。Grizzlyでは、対応ハイパーバイザーを増やしたり(MSのHyper-V、VMwareのESXのサポート)、ストレージのSwiftの改良、ダッシュボードとなるHorizon(バージョン5のEssexで追加)の改良などが行われた。

 特にGrizzlyでは、多くの企業が実際にOpenStackを使用して本番環境に移行できるように、安定性とスケーラビリティが重視されていた。このあたりは、OpenStack Foundationが設立され、実際に使えるソフトウェアスタックとして定着させていこうとしている意図がわかる。

 このように、OpenStackは年2回のリリースを目標にしているが、オープンソースプロジェクトになっているため、さまざまな企業や団体、コミュニティがいろいろなプロジェクトを進めており、方針をきちんと定めないとバラバラになってしまう。そこで、年2回のリリースに、どのようなプロジェクトから、どの機能を搭載するのかを討議するのが、Design Summitだ。こちらも、年2回開催される。

OpenStackの各バーション。当面は、年2回(6カ月ごと)のバージョンアップを計画している(日本OpenStackユーザー会の資料より)

(山本 雅史)