週刊データセンターWatch:

NTTファシリティーズが「地方共生型高効率データセンター」のモデル考案
2025年12月16日 06:00
株式会社NTTファシリティーズは、生成AI時代におけるデータセンターのあり方について、具体的な建築モデルを考案し、発表した。地方共生をテーマに掲げ、サーバーからの廃熱を周辺住宅や農業用ビニールハウスへ供給する案などが取りまとめられている。今後、これを1つの参考とし、データセンター事業者や自治体との意見交換を進めるとしている。

データセンターを巡っては、ITサービスの普及、生成AIの利用増を背景に、施設需要が高まっている。しかし、東京・大阪に立地が集中しており、政府では地方分散に向けた動きを強めている。
こうした問題を受けて、NTTファシリティーズでは「地方共生型高効率データセンター」のモデルを考案した。データセンターを地域の中核施設と位置付け、廃熱利用、災害時の電力供給の面で地域共生を図っていく構想という。
一例として挙げられている廃熱活用については、IT容量36MW規模のデータセンターでは、戸建て住宅2300戸、オフィスビル7万平方メートル、ビニールハウス約2万7000平方メートル程度の暖房や給湯を賄えると試算している。
このほか、大学・企業の研究拠点をデータセンターに誘致したり、非常時にはデータセンターから防災拠点へ電力供給する案などが提案されている。
また、建物の外装には多孔質セラミックタイルを導入し、雨水による冷却を行うとともに、景観にも配慮する。
NTTファシリティーズでは、このモデルを参考例としつつ、関係機関との意見交換を重ねていく方針だ。