週刊データセンターWatch:
![](/img/clw/corners/wdc/002.jpg)
【データセンター用語集】受電容量(MW)とは
2025年2月12日 06:00
データセンター施設において、収容サーバーなどの稼働のために外部から受け容れる電源の容量のこと。「100MW」のようにMW(メガワット)単位で表記されるのが一般的。敷地面積、ラック数と並んで、データセンターの規模を端的に示す数値として活用される。似た表現として「IT電力」「IT容量」があるが、ほぼ同義。
データセンターを比較する上では、施設の立地や災害耐性が重要である事は言うまでもないが、施設としての規模、入居状況、あるいは将来的にどのような拡張計画があるかもまた、考慮すべきとされる。例えばサーバーを5台稼働させていたとして、業務拡大によってこれを10台に増大したくても、それは収容スペースが物理的に空いているのが前提となる。他のデータセンターを契約しての増台となると、データの分散保存にはつながるが、ネットワーク構成は複雑化する。
受電容量も同様で、必要量の電力が外部から安定的に供給されなければサーバー稼働はおぼつかない。よって受電容量が大きいデータセンターほど、中長期にわたって使い続けられる可能性が高くなる。
ただ、データセンターの電力事情を複雑化させているのがAIの台頭だ。生成AIなどの技術はバックエンド側で大量のGPUを稼働させており、従来型サーバーよりはるかに電力を消費する。機器1台あたりの消費電力が相対的に増加するため、これまでの想定を超えるペースで受電容量を上げる必要が出てきた。「敷地はあるが電力がなくて増床できない」という可能性すらある。
ちなみに、シャープの工場跡地にソフトバンクがデータセンターを建設することが話題になったが、施設の買収にあたっては「(将来的に)250MW規模の電力の供給が受けられること」が条件であったという(https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2024/20241220_03/)。