週刊データセンターWatch:

KCCSが石狩市で新データセンターを開所、国内初の常時再エネ100%実現

 京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)は、北海道石狩市で建設を進めていたデータセンター「ゼロエミッション・データセンター 石狩(ZED石狩)」を、2024年10月1日付けで開所した。国内のデータセンターとしては初めて、常時再エネ100%(24/7カーボンフリーエネルギー)を実現したという。

ゼロエミッション・データセンター 石狩(ZED石狩)

 ZED石狩は石狩市の石狩湾新港地域に立地。2019年に運営計画を発表し、2022年12月から建設を進めてきた。敷地面積は約1万5000平方メートルで、延べ床面積は約5300平方メートル。400ラックを収容できるとしている。

 受電容量は2~3MW。本センターでは、石狩湾新港洋上風力発電所の電力、KCCSが近隣に所有する太陽光発電所からの電力を組み合わせ、「生グリーン電力」で稼働するのが大きな特徴となっている。一般的なデータセンターでは、脱炭素のために実質再エネ100%方式を採用するが、ZED石狩では蓄電池やAI制御による電力需給制御などを行うことで、常時再エネ100%(24/7カーボンフリー電力)を実現した。これは国内では初の事例という。

 この他、北海道の冷涼な土地柄を生かし、間接外気冷房空調方式を採用。サーバーの排熱を床下空調やロードヒーティングなどに循環させる取り組みも行う。

 設備面では、高排熱のGPUサーバーにも対応する。水冷方式によるサーバー冷却については計画中という。