週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】トラフィックとは

 英語で「交通(量)」を意味する「traffic」だが、ITの世界においては、回線やネットワーク上で送受信されるデータの量のこと。例えば、WebサイトがテレビやSNSで注目されてアクセス数が増加した場合には「トラフィックが激増した」などと表現する。

 Webサイトをはじめとしたインターネット上のサービスは、ほぼ例外なく、なんらかのサーバー機器上で動作している。その機器の処理能力を超えるレベルの通信が突然発生する可能性について、運用担当者は準備しておかねばならない。また機器だけでなく、インターネットを繋ぐ回線の性能(帯域)も重要である。

 トラフィックの減少は、サービスの安定稼働の観点からは特に問題ないが、急増はトラブルの種になりやすい。ECサイトが特別なキャンペーンを開始したところ、新規会員登録が瞬間的に集中して手続きが正常に完了しなかったり、決済時にエラーが起きるというのが典型例である。

 一般的に、トラフィック集中の問題は設備増強やソフトウェア改修によって回避できる。しかし復旧を秒単位で急ぎたかったり、コストを節約したいといった要因も重なるため、解決策は1つではない。トラフィックを常時監視して早めに対策をとるのが何より重要だが、トラフィック急増が予想される際に人員を手厚く配置するなど、運用上の工夫も求められるだろう。