週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】生成AIとは

 文章、画像、音楽などのコンテンツを生成できるAI(ないしシステム)のこと。英語表記は「Generative AI」。コンテンツを手軽に作成できるため、ホワイトカラー業務の生産性向上に大きく寄与する技術と見なされている。一方、データセンターの観点ではデータ処理力、電力量の要求が高くなることから、設備の刷新・高度化が課題となっている。

 生成AIに限った話ではないが、画像判別AI、データ分析AIなど、AIと呼ばれるテクノロジーの背景では、多大な量のデータ処理が事前に行われている。例えば大量の画像データをシステムに読み込ませ、ある共通の傾向などを発見したり、抽出したりするといった過程だ。これは「機械学習」などと呼ばれる手法で、過去数十年にわたる機器の高性能化によって、その精度・効率が大幅に高まった。

 よって今後、AIの性能アップのためにデータ蓄積量をさらに増やしたければ、ストレージ機器の容量を大きくしなければならない。そのデータを処理できるだけの高性能演算チップも必要になり、高性能チップを安定稼働させるためには電力が必要で、そして電力消費を抑えるためには高度な冷却技術が求められる。

 生成AIの台頭は、こうしたエスカレーションをさらに上振れさせると考えられている。結果的に、データセンターの新規着工、AI対応をうたうデータセンターの増加が見込まれる。また、生成AIの参照元となるデータの扱いで著作権侵害などが発生しないよう、企業ごとにオリジナルのAIを構築する事例も今後増えるとみられ、データセンターの利用計画にも影響を与えそうだ。