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アット東京とアルテリア、東京港に光ケーブル敷設へ。大手町との通信を冗長化

 株式会社アット東京とアルテリア・ネットワークス株式会社は、豊洲・有明エリアと芝浦・品川エリア間を結ぶ通信用光ファイバーケーブルの敷設に向けて、協定を締結したと発表した。2024年7月の工事完了を目指す。実現すれば、東京港を横断する通信用光ファイバーケーブルの敷設は初の例という。

東京港横断ケーブルの設置イメージ

 豊洲・有明エリアと芝浦・品川エリアは、多くのIT企業が集積しており、通信の安定性や冗長化に関するニーズが高い。現在両エリアは、大手町エリアとの間を結ぶ陸路通信ルートがそれぞれに存在するものの、災害時の浸水や液状化現象のリスクがある。

 そこで、豊洲・有明エリアと芝浦・品川エリアを結ぶ海底地中部にケーブルを敷設することで、万が一の迂回通信に対応できるようにする。また茨城県の県北、千葉県の南房総にそれぞれ存在する国外通信用海底ケーブルとの接続性も高まるとしている。

 ケーブル敷設工事にあたっては「弧状推進工法(HDD工法)」を採用する。これは石油掘削のための技術を水平方向の掘削に応用したもの。地上からの掘削を最小限に抑え、地中の掘進機で管路を設置していく。なお、ケーブルはあくまで地中を通るため、船のアンカー(碇)等からも損傷を防げるという。