週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】LEEDとは

 民間の組織である米国U.S.グリーンビルディング協会(USGBC)が開発・運用している、環境配慮型建築物に対する認証制度のこと。「Leadership in Energy and Environmental Design」の略称。データセンターだけを対象とした制度ではなく、オフィスビルや賃貸住宅に対してもLEEDの判定や認証は行われている。

 データセンターの性能を示す指標は各種存在する。例えば日本データセンター協会の「データセンターファシリティスタンダード」は、耐震・耐火をはじめとした建物の安全性、電力供給性能、入退館セキュリティなどを基準化し、これらの達成度合いに応じて「ティア1」「ティア4」などの表示が許可される。いわば、ITインフラとしての実力を示すものである。

 これに対してLEEDは、おもに環境性能・サステナビリティが評価される。基準の改定も適宜行われているが、現在の認証システムは大きく分けて6種類存在する。例えば「BD+C」では建物の設計と建設、「O+M」は建設や大規模改修を伴わない形での運用体制、「HOMES」では戸建てないし低中層住宅というように、評価基準が異なる。

 認証レベルは高いほうから順にプラチナ、ゴールド、シルバー、標準認証(CERTIFIED)の4段階が存在する。判定項目は多岐にわたり、電力消費に関するもの以外に、立地、建築材料、水の消費量なども評価項目(の一部)に含まれている。

 地球温暖化問題への危機感は年々高まっており、特にデータセンターは膨大な電力を消費する施設であることから、LEEDは環境配慮の度合いを示す基準として、一定の意義があると言えるだろう。実際、データセンターの新規開設などに際してLEED取得をアピールする例は少なくない。