週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】DCIとは

 「Data Center Interconnect」または「Data Center Interconnection」の略称で、「データセンター間相互接続」のこと。物理的に距離が離れているデータセンター間を専用の光回線などで直結させることにより、障害に対する冗長性を確保したり、通信速度の高速化が期待できる。

 データセンターは膨大な量のサーバーを保管・運用できるよう設計されているとはいえ、その規模には必ず上限がある。建設から年月が経過してユーザーが増えていけば、当該データセンターにサーバーが増設できなくなる可能性はある。

 その場合、別のデータセンターを契約することになる訳だが、結果としてネットワーク構成は複雑化。サーバー間の通信に時間がかかったり、プログラミング開発などにも影響が出る可能性がある。ただしデータセンターの分散化は、障害対策では大きな意味があるため、あえて実施されるケースもあったり、事情はユーザーの数だけあるといってよい。

 DCIによって利用しているデータセンター間が結ばれていれば、ネットワーク構成的にはシームレスなため、扱いは容易になる。また物理的な分散によって災害耐性も向上する。

 こうしたメリットから、データセンター事業者の間では市場競合の壁を越えてDCIを実現させる例もある。また大規模なユーザーの中にはDCIを自前で構築するケースが少なくないという。