週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】スケーラブル(スケーラビリティ)とは

 英語表記は「scalable」で、一般的には「大きさを変更できる」「サイズを拡張できる」などを意味する形容詞。データセンターをはじめとするITの世界では「利用者の増減に応じて機器の性能や収容能力を調整できる仕様・能力」を指す。

 例えばインターネット上に通販サイトを開設するとして、当初はどんなサーバーを用意するべきだろうか。将来性を考えて高コスト・高性能なサーバーを当初から導入するのも1つの手段だが、客数の見込みが立たない段階では、低コスト・低性能なサーバーを選択し、経費節約に努めるのが一般的だろう。

 だが、取扱商品がテレビやSNSで話題となった場合、サーバーの処理能力を超える注文が急遽殺到し、受注を取りこぼす可能性がある。こうした状態ではサーバーの反応速度も遅くなり、せっかく訪問してくれた客に悪印象を与えてしまいやすい。かといって、稼働中のシステムを一時停止し、より高性能なサーバーへ交換するには時間も手間もかかる。

 そこで、サーバーを2台、3台と増設することで処理能力を上げられるように設計されているシステムを「スケーラブルなシステム」あるいは「スケーラビリティがある」などと表現する。なお、機器の増台によって処理能力を上げる方法は特に「スケールアウト」と表現される。

 逆に、台数を減らして能力を下げることは「スケールイン」と呼ばれる。言葉的にはネガティブなイメージがつきまとうが、コストと処理能力のバランスをとる上では重要な概念である。