週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】仮想化とは

 1台のサーバー、1つのネットワーク、1つのOSなど、本来的には単体で動作する資源について、主にソフトウェア的(プログラム的)な処理を加えることで、その管理を柔軟に行うという概念や技術のこと。これによって「1台の物理サーバー上で2つ以上の仮想化サーバーを動作させる」「2台以上あるストレージを1つのストレージとみなす」といったことが可能になる。英語では「Virtualization」。

 「仮想化」の理念はIT分野で広く浸透しているが、こと「サーバーの仮想化」は代表的な例といって良いだろう。物理的なサーバーが1台あったとして、これをある1つの機能だけで占有してはCPUの演算性能、ストレージ容量が余ってしまい、効率は落ちる。そこで専用のソフトウェアを用い、1台の物理サーバー上に「仮想的なサーバー」を複数稼働させる。例えばデータセンターの共用型ホスティングサービスの大半は、1台のサーバーを仮想化技術によって複数のユーザーが同時利用している。

 仮想化は他にも「OSの仮想化」「デスクトップの仮想化」「ネットワークの仮想化」などがある。仮想化はデータ管理の面でも利便性は高いが、あくまで1つの資源を分割したり、複数の資源を1つに統一するためにソフトウェア的処理が加わる都合上、絶対的な処理速度は非仮想化した環境と比べて劣るのが一般的だ。