週刊データセンターWatch:

KDDI、三菱重工、NECネッツエスアイの3社、コンテナ型データセンター構築で共同実験

 KDDI株式会社、三菱重工業株式会社、NECネッツエスアイ株式会社の3社は、コンテナと液浸冷却装置を用いた小型データセンターの実現に向けて、共同で実証実験を開始した。2022年度の社会実装を目指す。

 インターネットの活用が社会的に進む一方で、データセンターやクラウドの運用に伴う機器の発熱や、その冷却に伴う消費電力の増大をどう解消するかは、温室効果ガス削減の動きとも関連し、課題となっている。

 今回の実証実験は、鉄道輸送などに用いられる12フィートサイズのコンテナ内にサーバーを設置。さらに「液浸冷却装置」を併用することで、機器の冷却を行う。

 実験における各社の役割分担としては、三菱重工業が冷却機構の設計およびコンテナ内への実装を担当。NECネッツエスアイは液浸冷却装置の提供とSI設計、KDDIはプロジェクト管理と負荷試験を受け持つ。

 サーバーの消費電力は50kVA。これに高効率な冷却を行うことで、PUEが1.1以下になることを目指す。一般的なデータセンターのPUEを1.7と仮定した場合、実証実験のサーバーでは、約35%の消費電力削減が見込まれるという。

 また、汎用のコンテナを採用することで、設置場所に関する選択肢が増えるため、ネットワーク構成面での低遅延化も期待される。実験期間は2021年6月~12月の予定。