週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】ディザスターリカバリー(Disaster Recovery)とは

 ディザスターリカバリー(Disaster Recovery)とは、日本語に直訳すれば「災害復旧」で、文字通り災害を被った場合のシステム回復を、迅速に行うための仕組みや社内体制のことを意味する。また、被害を最小限にするための予防措置なども含まれる。略称は「DR」など。

 データセンターに影響を与えうる災害としては、地震・台風・洪水などの自然災害が筆頭に挙げられるが、火災・テロなど一部人為的なものや、外部からの不正侵入などもディザスターリカバリーの一領域と捉えられている。

 ECを手がけるなど、ほぼオンライン専業の事業者の場合、ある1台のサーバーが風水害被害を受けてしまうだけで、収益事業に対して極めて大きなインパクトとなる恐れがある。自社内でサーバーを運用する「オンプレミス」から、データセンターを利用する体制に移行することも、ディザスターリカバリーを考える上での一手である。

 しかし、たとえばデータセンターのある建物自体が災害を受けるケースも、当然想定されうる。このため、データセンターを選定する上では、地盤の強固さであったり、浸水を避けるための海抜標高の高さなども重要となる。近年は、データセンター事業者側が立地関連のデータを開示したり、自家発電機の有無や連続稼働時間を事前説明することがほぼ当たり前になっている。

 また東日本大震災の発生以降は、利用するデータセンターを全国に分散させ、あらかじめ代替システムを整備しようという風潮も、大規模ユーザーを中心に強まっている。