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Windows Server 2022リリース! 富士通に聞く、ハイブリッドクラウド時代のWindows Server戦略
- 提供:
- 日本マイクロソフト株式会社
2022年3月30日 09:00
2021年9月1日(米国時間)に正式リリースされたWindows Server 2022。同OSはセキュリティ、クラウド連携、コンテナーの強化・改良などを主な特徴とするが、このうちクラウド連携に関しては、サーバー製品を日本企業に販売してきたOEMベンダー各社のビジネスにも影響を与えるものと思われる。そこで今回は、富士通株式会社 戦略企画・プロモーション室 インフラプロモーションセンター PRIMERGY商品企画部 部長の館野 巌氏に、同社のWindows Server市場における戦略についてお聞きした。(文中敬称略)
全国850箇所の保守拠点が支えるサポート品質
PCサーバー「FUJITSU Server PRIMERGY」を展開する富士通。館野氏は、富士通の強みは保守体制にあるという。
「富士通は全国に850箇所のサービス拠点を配置しており、このサービス拠点網を活かして業界最高水準の保守サポートを提供しています。保守契約の内容にもよりますが、ハードウェアの故障に関しては、2時間以内でのオンサイト修理が実現可能です」(館野氏)
もっとも、PCサーバーのトラブルはハードウェア障害だけではない。OSやハイパーバイザー、ミドルウェアなどソフトウェアに関するものもあれば、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって発生する原因の特定が難しいトラブルもある。多種多様なトラブルに対応するため、富士通はワンストップサポートの体制を敷いている。
「富士通グループには、マイクロソフトを始めとする各ソフトウェアベンダーの認定技術者が多数在籍しています。そうした技術力を活かしてハードウェア・ソフトウェアの一括サポートを提供していますので、安心してPCサーバーをご利用いただけます」(館野氏)
ハードウェアそのものの品質にもこだわりがある。高品質なものづくりは日本のメーカーが得意とするところだが、そうした市場ではユーザーの目も厳しい。ユーザーの期待に応え、信頼を得るためにも品質に関する取り組みには自身があるという。
「部品の選定から開発、生産の各段階における一貫した品質管理はもちろんのこと、日本ならではの取り組みも行っています。例えば、日本は地震が多い国ですから、振動耐久試験など日本市場に向けた品質への取組みも実施しています。ほかにも、高温・低音など、さまざまな環境下でのランニング試験を行っています」(館野氏)
仮想化アセスメントサービスを無償で提供
次に、PCサーバーの導入支援について見てみよう。
「Windows Serverのお客様に多くご利用いただいているものとしては『インフラ基本導入サービス』があります。これは、Windows Serverをプリインストールして、工場で最新のセキュリティ・アップデートを適用した状態で出荷するサービスです。お客様側でのセットアップ時間を短縮するものとして喜ばれています。さらにネットワークやリモートからGUIでのOS操作を実現するための設定など、コロナ禍において人の移動・接触を減らすための設定も可能です。導入時の現地作業時間、移動時間を軽減します。」(館野氏)
加えて、富士通では「仮想化アセスメントサービス」を無償で提供しているという。PCサーバーは仮想化して使うのが当たり前になっているが、最適なサイジングにはノウハウが必要だ。そこを支援するのが、このサービスだという。
「仮想化アセスメントサービスは、お客様のご要望をヒアリングし、既存システムの稼働状況をモニタリングしてデータを分析、分析結果に基づき次期システムの最適な構成を提案するサービスです。すでに1200件以上のご利用実績があり、安心してご相談していただけると自負しています」(館野氏)
なお、昨今のシステム更改はクラウド化も含めた検討が行われるケースが多いが、仮想化アセスメントサービスではそうした要望にも対応するという。
「仮想化アセスメントサービスは特定の移行先を前提としたサービスではありません。富士通はサーバーやストレージのメーカーですが、同時にクラウドにも力を入れており、富士通自社クラウドだけでなく、Microsoft Azureなど提携するクラウドをも対象とした構築・運用支援サービスも提供しています。オンプレミスに残すか、クラウドに移行するか、あるいはオンプレミスとクラウドのハイブリッド構成にするか、お客様のご要望やワークロードの特性に併せて、最適な移行プランをご提案することが可能です」(館野氏)
移行先の候補が多岐にわたり、複雑化すると机上シミュレーションだけで移行に踏み切るのは不安だ。そこでPoC(Proof of Concept)を実施して検証しようとなるわけだが、そのための施設も用意されている。東京・蒲田にある「FUJITSU Platform Solution Lab」がそれだ。
「この施設では、オンプレミスはもちろん、クラウドやハイブリッド環境における動作検証が行えます。検証環境のセットアップ後はインターネット経由でのアクセスが可能なので、自由に検証作業を行っていただけます」(館野氏)
FUJITSU Platform Solution Labでは、オンプレミスにおける仮想化基盤として注目を集めるHCI(Hyper Converged Infrastructure)の検証も行える。富士通では、Microsoft、VMware、Nutanixの3社のHCIソリューションを提供しており、このうちMicrosoftに関しては、Windows Server 2019ベースの「FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for Microsoft Storage Spaces Direct」と、最新のAzure Stack HCI OSに対応する「FUJITSU Server PRIMERGY Validated Node for Azure Stack HCI」を提供している。
最新世代はセキュリティも強化、Secured-core Serverとの連携で安全性を高める
PRIMERGYのWindows Server 2022への対応状況について館野氏は、「主力の2wayラックサーバーは対応済みです。1wayのラックサーバー、タワーサーバーに関してもこの2022年度第一四半期に対応予定です」と説明する。
「Windows Server 2022の対応機種では、ハードウェアレベルでのセキュリティ強化も行っています。インテル製CPU内蔵のセキュリティ機能を使ったもので、システム全体のファームウェア間で信頼のチェーンを形成し、信頼性を確保する仕組みです。Windows Server 2022では、Secured-core Serverとしてセキュリティ強化が図られていますが、ハードウェアとソフトウェアの連携により最新のセキュリティ環境がご利用いただけます」(館野氏)
最後に館野氏はWindows Serverのユーザーに向けたメッセージとして次のように発言し、取材を締め括った。
「Windows Server 2012のサポート終了が2023年10月に控えている今、旧OSのシステムを最新のものに更新することで、システムの安定稼働、ひいてはお客様のビジネス価値を守ることが重要と考えています。Windows Server 2008のサポート終了のときは、直前になって移行作業を開始し、結果としてサポート終了までに移行が完了しなかったケースも見られました。現在はDXへの対応やハイブリッド化など、システム更改のタイミングで検討する項目が増えていますから、より早く着手することが重要です。富士通としては、今回紹介した仮想化アセスメントサービスを含め、お客様へのご案内と移行支援に一層注力していきます」(館野氏)