トピック

簡単&迅速に導入できる「学習済みAI」から自社に合わせた「カスタムAI」まで自由に選べる

DIGITAL X DAY 2019協賛講演

 ますますAIが身近になる中で、マイクロソフトではOfficeアプリケーションなど企業で働く人々の身近にあるツールにAI機能を組み込み、日常業務の中で誰もが手軽に利用できる環境を提供してきた。今回は、日本マイクロソフト株式会社 Azureビジネス本部 プロダクトマネージャーの竹内宏之氏がマイクロソフトのAI関連サービスから「学習済みAI」と「カスタムAI」の2つにフォーカスして紹介した。

 マイクロソフトとAIの歴史は意外と古い。AI研究は着々と進められ、2016~2018年にかけては、ほぼ人間並みの精度を持つ画像認識や人の話し言葉の95%までを把握できる音声認識、さらには文章読解や機械翻訳などでエンタープライズレベルの実用に耐える機能を実現してきている。

 「それらを一番身近で体感できるのが、皆さんが普段使っているMicrosoft Officeです。たとえばWordの音声入力機能やExcelの検索機能は、どれも長年のAI研究の成果です」。

 こうしたマイクロソフトの持つすべてのAI機能は現在クラウドプラットフォームであるMicrosoft Azure上に集約され、提供されていると竹内氏は語る。

簡単導入からカスタム開発まで選べる2つのAI学習モデル

 今回のセッションで、竹内氏はMicrosoft Azureに含まれる代表的なAI機能の中でも「学習済みAI:Cognitive Services」と「カスタムAI:Azure Machine Learning」の2つを紹介する。

①学習済みAI:Cognitive Services
 たとえば人間の顔を認識する画像認識機能では、膨大な数の顔の画像をAIに学習させて認識モデルを開発する必要があるが、元画像データをユーザーが用意するのは非常に大変だ。Cognitive Servicesでは、あらかじめマイクロソフトがデータを用意して学習済みにしたAIをAPI経由で利用できるため、短期間かつ低コストでAIを導入できる。

②カスタムAI:Azure Machine Learning
 自社のニーズに細かく対応したカスタムAIや自社で持っているデータからAIをゼロから開発したいという企業には、Azure Machine Learningが用意されている。プログラミングの専門知識がなくてもGUIによる操作環境や、パラメータの自動チューニング機能が提供されており、社内に専門家がいなくてもAI開発を行うことができる。さらに運用開始後のアップデートまで、ライフサイクル全般にわたってマイクロソフトがサポートを提供している点も安心だ。

 「この他にも、AIの世界で多く使われているオープンソースのソフトウェアやフレームワークにも幅広く対応しています。もちろん堅牢なセキュリティや厳格なガバナンスを備えており、エンタープライズのユーザーレベルに十分に対応できるのは言うまでもありません」。

MLOpsと組み合わせることでAIの全ライフサイクルをカバー

 AIは導入すれば完了ではない。随時新しいデータを学習させ、機能を維持・向上するといった運用フェイズにおける対応こそが、その後の成果を大きく左右する。そうしたライフサイクルを回すために提供されているのがMachine LearningとOperationsの合成語であるMLOpsだ。

 「これは実際に作ったモデルを意図した通りの運用に乗せていく機能です。Azure Machine Learning とシステムの開発をサポートするAzure DevOpsを組み合わせることで、学習から開発の機械学習ライフサイクルをエンドツーエンドで実現できるのです」。

 セッション終盤では、国内の大学や企業での導入事例を複数紹介。「この他にもすでに数多くのAI導入事例がまとめられ、これからAI開発に取り組もうという企業の皆様に提供されています。ぜひ、ご覧になってみてください」と竹内氏は呼びかけ、セッションを終了した。

「AIの成否は運用フェイズ次第。サポートが重要となる」と語る、日本マイクロソフト株式会社 Azureビジネス本部 プロダクトマネージャー 竹内宏之氏