特別企画

仮想環境に特化して設計された新世代ストレージ「Tintri VMstoreシステム」【後編】

Tintriのデータ保護・運用管理機能、将来の動向について

最高32台のVMstoreを統合的に管理できるTintri Global Center

 近年では、ノードの増設によってストレージの規模を拡張可能なスケールアウト型のストレージソリューションに人気が集まっているが、これらのソリューションはストレージクラスタを構成するために、密結合もしくはそれに準じた結合手法でノード間を接続している。

 これに対し、Tintriのソリューションでは、1台のVMstoreで仮想マシン単位のストレージスペースを柔軟に提供できることから、VMstore間を密に結合させてストレージクラスタを構成する必要がない。つまり、仮想マシンの台数やワークロードの増加に合わせてVMstoreを単に横並べで増設していけばよいのだ。

 ただし、これらのVMstoreを1カ所から統合的に管理できなければ、VMstoreの台数が増えるにつれて運用管理の煩雑さに悩まされることになる。Tintriは、こうした管理上の問題に対処するため、複数のVMstoreに対するシームレスな統合管理を実現するプラットフォーム『Tintri Global Center』を提供している。

 Tintri Global Centerは、スタンドアロンの仮想アプライアンスとして提供され、最初のリリース1.0では最高32台のVMstoreを同時に管理できるように設計されている。なお、これらのVMstoreは、同一のデータセンター内に配置されたものだけでなく、複数のデータセンターにまたがっていてもまったくかまわない。

 Tintri Global Centerでは、管理下にあるVMstore群、そしてその上で稼働する数多くの仮想マシン(10万台規模を視野に入れた設計)に対する稼働状況の監視とレポーティングの機能を提供する。監視可能な情報は、ストレージ性能(IOPS、スループット、レイテンシ)、使用容量、データ保護のステータスなどと多岐にわたる。

 Tintri Global Centerは、REST(Representational State Transfer) APIアーキテクチャに基づいて開発されているため、将来的にはこのREST APIも一般に公開される予定だ。Tintriのパートナーや顧客が、Tintri Global CenterのREST APIを活用することにより、VMstoreや仮想マシンを対象としたパフォーマンスの監視、スナップショット、レプリケーション、クローニングなどの統合管理にもつなげられるようになる。

 また、Tintriのパートナーと顧客の間でエコシステムが確立されれば、ソフトウェア検証環境のカスタマイズや、地理的に離れた場所に配置されたVMstore間で仮想マシンの展開を自動化するなど、より多くの革新的なソリューションに発展させられるだろう。

Tintri Global Centerは、スタンドアロンの仮想アプライアンスとして提供され、現在のリリース1.0では最高32台のVMstoreを統合的に管理できる。将来的にはTintri Global CenterのREST APIも公開され、Tintriのパートナーや顧客がさらに高度な管理機能を手に入れられるようになる(出典:ティントリ)

(伊勢 雅英)