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日本IBM、エンタープライズ向けAI駆動開発のためのコンテキスト標準ソリューション「ALSEA」を提供

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は14日、エンタープライズ向けの大規模システム開発において仕様駆動開発を本格的に適用するためのコンテキスト標準ソリューション「AI Lifecycle Shared Engineering Artifacts(以下、ALSEA)」を、先行プロジェクト向けに提供開始した。

 日本IBMでは、AIなどの先進技術を活用してITのスピード向上や品質向上を実現するため、「IT変革のためのAIソリューション(AI for IT)」を2024年より体系化し、コード生成、テスト自動化、IT運用高度化、プロジェクト管理など、ほぼ全ての開発タイプやプロジェクトフェーズをカバーするソリューションを整備し、顧客のIT変革を支援してきた。

 また、これら個別の製品・ソリューションを統合的に活用できるようにし、これまで十分に対応できていなかった領域を補完するために、すべてのエンジニアおよび非エンジニアでも活用できるよう、AIエージェント駆動のエンタープライズ向け開発支援パートナー「IBM Bob」の提供を開始している。

 さらに、日本IBMが長年にわたって蓄積してきた大規模システム開発のメソッドやノウハウ、標準プロセス、成果物テンプレート、ルール、ガイドを、IBM Bobが理解・活用可能な「コンテキスト」として体系化し、エンタープライズ向けAI(仕様)駆動開発のための標準基盤として、ALSEAを開発した。開発に必要な標準的なコンテキストをALSEAとして提供することで、AIを組織として正しく動かし、大規模プロジェクトにおいても全面的にAIが主体となり、人は設計・監督に集中する開発を可能にする。

 ALSEAは、成果物の品質を均一化するために、IBM独自の大規模開発のノウハウ(開発指針、標準、ルールなど)をIBM Bobが参照する共通コンテキストとして提供することで、開発者やチームごとの差異に依存しない、説明可能で再現性の高い成果物を生成する。これにより、エンタープライズ環境で求められる画一的な品質確保を支援する。

 人間のワークロードを削減するため、個別・都度の指示を最小化し、必要最低限の成果物に標準化することで、「AI(IBM Bob)が主体」となって設計書、プログラムコード、テスト成果物を生成する。人間はレビューと判断に集中ができ、手戻りの防止やレビューの徹底を通じて、開発現場における負荷と調整コストの低減を実現する。

 大規模開発プロジェクトへの適用に向けては、複数プロジェクトが同時に進行するエンタープライズ環境においても、標準化されたプロセスとプロジェクト管理を軸に、サブシステム分割やハイブリッドクラウド環境への対応を可能にする。

 日本IBMは、IBM Bobを活用しつつ、ALSEAを活用した仕様駆動開発を、エンタープライズ向けシステム開発の標準基盤として定着させることを目指す。先行プロジェクト向けの提供を開始するとともに、一般提供開始は2026年下期を予定する。AI仕様駆動開発で業界の変革をリードするため、2027年以降には、システム開発プロジェクト全体において、35%の工数削減や30%の期間短縮といった定量的な効果の実現を目標とし、システムの戦略価値を最大化し、経営に直結する成果に向けて支援していくとしている。