ニュース

オラクル、専門AIエージェントが連携するエンタープライズアプリ「Fusion Agentic Applications」を発表

 米Oracle(以下、オラクル)は現地時間3月24日、エンタープライズ環境での運用を前提に設計された、専門AIエージェントが連携する新たなクラスのエンタープライズアプリケーション「Fusion Agentic Applications」を発表した。

 Oracle Fusion Cloud Applicationsに組み込まれたFusion Agentic Applicationsは、統合された企業データ、ワークフロー、ポリシー、承認階層、権限、およびトランザクションのコンテキストに安全にアクセスし、業務プロセス内で意思決定を行い、その決定を実行できる。コパイロットやAIアシスタント、その他のAI追加機能とは異なり、Fusion Agentic Applicationsはトランザクションシステムにネイティブに組み込まれているため、エンタープライズ規模でリアルタイムかつ完全なガバナンスのもとで実行できる。

 Fusion Agentic Applicationsは、推論と実行が連携され、継続的にビジネス成果を創出し、その成果をさらに発展させていくよう設計されている。明確な役割や専門性、意思決定権限を持つAIエージェントのチームによって構成されており、特定の目的の達成に向けて、なぜ・いつ・どのように業務を進めるべきかを自律的に判断できる。

 既存のOracle Fusion Cloud Applicationsセキュリティフレームワークのもとで完全に動作し、ガードレール内で定型的なアクションを自律的に遂行する。さらに、人による判断が成果に大きな影響を与える例外やトレードオフ、重要な意思決定のみをユーザーに提示する。

 Fusion Agentic Applicationsは、特定のビジネス目標の達成にフォーカスし、Oracle Fusion Cloud Applicationsスイート全体で推論と実行を連携させ、業務を継続的に前進させる。時間や複数のステップにまたがって永続的な共有コンテキストを維持でき、エージェントが意図や履歴、過去の意思決定、現在の状況を記憶できるため、業務が進む中でユーザーがその都度コンテキストを説明したり再構成したりする手間が軽減される。

 また、Fusion Agentic Applicationsは、常に推論を行い、各状況におけるニュアンスを理解し、トレードオフを評価してアクションを実行する。さらに、状況が変わったときには再評価を行うことで、単なる作業で終わらず、常に目標に向かって業務を前進させる。役割ごとのアクセス管理や承認フレームワーク、すべての操作履歴を追跡できる仕組みにより、AIを活用したワークフローを安全に実行する。どの段階でどんな行動が行われたか、全体の流れを把握できるので、誰がどのような判断をしたかを明確に説明できる。

 Fusion Agentic Applicationsは、業界トップクラスのLLMを活用し、Oracle Cloud Infrastructure上で稼働することで、包括的なクラウドアプリケーションスイートをさらに強化する。これにより、財務・人事・サプライチェーン・カスタマーエクスペリエンス分野のリーダーが、ビジネス成果を大幅に向上させることを可能にする。

 特定の目的達成を支援する22種類の新しいFusion Agentic Applicationsのうち、「Workforce Operations Agentic Application」は、人事リーダーが手作業でのデータ収集を減らし、スケジューリングの承認プロセスを迅速化して、給与に関する問題の発生を抑えるのに役立つ。これにより、事後対応型の人員管理を、プロアクティブかつインテリジェントな運用へと進化させる。

 「Design-to-Source Workspace Agentic Application」は、サプライチェーンのリーダーが製品コスト、サイクルタイム、コンプライアンス・リスクを低減するのに役立つ。これにより、分断されていたエンジニアリング、サプライヤー、ソーシングの各意思決定を、一つの連携した継続的プロセスへと統合できる。

 「Cross-Sell Program Workspace Agentic Application」は、営業チームが成長機会を先回りして特定し、安定した収益の拡大を実現しながら、顧客獲得コストを削減するのに役立つ。これにより、従来の事後対応型キャンペーンから、常に稼働する継続的な収益拡大施策へと変革できる。

 「Collectors Workspace Agentic Application」は、財務チームによる資金回収をスピードアップし、売上債権回転日数の短縮や支払い約束の履行率向上を支援する。これにより、手作業中心だった回収業務が、インテリジェントかつ継続的なキャッシュフローの創出に変わり、運転資本の改善につながる。

 「Fusion Agentic Applications」は、「Oracle AI Agent Studio」を中心とした包括的なAIエコシステムによって支えられている。「Oracle AI Agent Studio」に新たに搭載された「Agentic Applications Builder」を使うことで、組織は従来のアプリケーション開発なしに、オラクルやパートナー、外部のエージェントを再利用しながら、AIによる自動化やエージェント型アプリケーションを簡単に構築し、連携・実行できる。さらに、組み込みの可観測性、ROI測定、そして安全管理機能により、エージェントは価値を定量的に提供し、責任ある形で大規模に運用できる。