特別企画

企業向けオンラインストレージのススメ【前編】

どういうシーンに適用するか?

 SafeSync for Enterpriseは、WindowsやMacなどのPCだけでなく、iOSやAndroid用のアプリなども用意されているため、仕事のデータを個人フォルダに置いておけば、その企業のポリシーが許す範囲で、外出先でもスマホやタブレットからデータを見たり、ノートPCで編集したり、といった作業を行うことができる。

 また、グループやチーム用のフォルダも作成できるので、営業用のプレゼンテーションツールやレポートなどを置いておけば、そのグループのメンバーが各自の顧客企業などに訪問し、最新のデータを見ながらプレゼンテーションすることも可能だ。

 旅行業では、季節ごとやイベントごとに変わるツアーカタログやキャンペーンムービーなどを制作しているが、それらを本社の企画部がアップロードしておき、店舗や営業はタブレットなどで最新のカタログを表示しながら顧客にプレゼンテーションする、といった使い方が可能になる。いつも最新のカタログしかなければ、間違って古いカタログをプレゼンテーションしたり、毎月変わる価格を再度チェックしたり必要もないし、カタログのバージョンを一括管理できるのは、数多くのツアー商品を販売している旅行業にとって便利なシステムといえる。

 また建設業では、1つの建設プロジェクトにおいて、さまざまな関係会社と図面や見積もりや進行スケジュールなど、さまざまなドキュメントを共有する必要がある。このような場合にSafeSync for Enterpriseを利用すれば、安全にファイルの受け渡しを行えるという。

SafeSync for Enterpriseを使えば、旅行業で使われるツアーカタログを一括管理できる

 課金はアカウント数ごとで、各ユーザーが複数のデバイスからSafeSync for Enterpriseにアクセスしても、課金は1アカウントになる。参考価格は、1アカウントあたり2960円(初年度、1000ライセンス購入時)。

 なお、トレンドマイクロが提供している製品ということで、SafeSync for Enterpriseにアップロードしたファイルを、自動的にウイルスチェックしてくれる機能があると、利用しやすくなるだろう。現状では、このような機能は付いていないが、次のバージョンアップ時にはサポートしていく方向になっているようだ。

山本 雅史