特別企画
企業向けオンラインストレージのススメ【前編】
(2014/3/6 06:00)
コンシューマユーザーに向けて無償でサービスを行っているオンラインストレージは当たり前の存在となってきている。そうしたサービスを便利に使っているユーザーが、仕事でも使いたい、と思うのもまた当たり前のことだが、企業で使い続けることには情報漏えいなどのリスクもつきまとう。
こうしたギャップを解消するため、最近でも企業向けのオンラインストレージ製品・サービスも各種そろってきている。そこで2回にわたって、エンタープライズ向けのオンラインストレージをいくつか紹介していく。
コンシューマ向けサービスをそのまま使うことのリスク
現在普及しているDropboxなどのオンラインストレージサービスでは、PCだけでなく、タブレット端末、スマートフォンなど複数のデバイスからアクセスできるため、個人ユーザーにとっては使い勝手が非常にいい。
また、メールに大きな容量のファイル(写真や動画など)を添付できない場合にも、オンラインストレージを利用し、ファイルを送受信することが多くなってきた。
こうした利便性を仕事の上でも生かそうと、オンラインストレージの利用は、コンシューマユーザーだけでなく、ビジネスユーザーでも広がっている。
しかし、企業でコンシューマ向けオンラインストレージを利用するのは、大きな問題をはらんでいる。例えば、社内のITシステム自体が高いセキュリティを保っていたとしても、ユーザーがさまざまなデータをオンラインストレージにアップすることで、それらが社外に流出してしまう危険性がある。ユーザーに悪意がなかったとしても、オンラインストレージの設定を間違えれば、不特定多数のユーザーにデータが公開されてしまうのだ。
そこで、セキュリティポリシーによってオンラインストレージの利用を禁止することも多いが、一部のユーザーは、依然としてコンシューマ向けサービスを利用し続ける。こういったことは、ITガバナンスという面から見れば大きな問題となってくる(シャドーITともいわれている)。
IT管理者としては、社内のシステムからコンシューマ向けサービスにアクセスできなくするとこはできるが、それだけでは根本的な問題解決にはならない。IT管理者が管理でき、ユーザーにとっては利用しやすい、適切な代替手段を用意することが必要ではないか。そのためには、管理可能なエンタープライズ向けのオンラインストレージを導入するのが手っ取り早いといえる。