特別企画

AMD、サーバー向け新アーキテクチャCPU「EPYC」を発表

後藤弘茂氏による詳細レポート

128レーンの膨大なPCI Express

 EPYCのPCI Express gen3は、各ダイにつき32レーン。1Pと2Pのどちらの場合も、128レーンをPCI Expressデバイスの接続に使うことができる。8個のx16リンク構成が可能であるため、x16デバイスを最大で8デバイス接続できる。各x16リンクが32GB/secの帯域であるため、1P構成の場合は256GB/secのI/O帯域となる。

128レーンの強力なPCI ExpressがEPYCの武器

 DRAMインターフェイスは、各ダイに2チャネルのDDR4。転送レートは最高で2667Mtpsをサポートし、チャネルあたり21.3GB/secの帯域、ソケット合計で171GB/secのメモリ帯域となる。各チャネル2DIMMで、16DIMM構成で最大2TBメモリとなる。メモリサポートはRDIMM/LRDIMM/NVDIMM-N/3DS DIMM。RDIMMとなる。

ソケットあたりのメモリ量も強み

 EPYCは低速I/Oも各ダイに統合しており、そのため、外部にI/Oハブチップが必要ない。各ダイごとにUSB 3.0が4ポート、また、LPCやGPIOなどが統合されている。I/Oハブが必要ないため、プラットフォームはシンプルとなる。ただし、膨大な数のI/Oやメモリインターフェイスを統合するためにEPYCのソケットは4000ピン以上と、極めてピン数が多いものとなっている。

低速I/Oなども統合するEPYC

 このほか、重要な機能として、AMDはARMからライセンスを受けた小型プロセッサコアCortex-A5をEPYCの各ダイに内蔵。Cortex-A5をバックグラウンドで走らせることで、シームレスなセキュリティを実現している。また、メモリエンクリプションハードウェアをメモリコントローラに実装、極めて低いペナルティーでのフルメモリ保護を実現している。また、RAS機能もEPYCはサポートしている。

AMDからライセンスを受けたCortex-A5をセキュリティプロセッサとして搭載
ハードウェアベースのセキュアメモリエンクリプションを実装する
Hypervisorのハードウェアアイソレーションもサポート

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 AMDが満を持して発売した新サーバーCPU EPYC。技術的な方向性は、ライバルIntelと大きく異なるが、サーバーに期待される機能はそろえている。多様化が急激に進むデータセンターのニーズにどこまで応えることができるかが、今後のチャレンジとなる。