特別企画
AMD、サーバー向け新アーキテクチャCPU「EPYC」を発表
後藤弘茂氏による詳細レポート
2017年6月23日 06:00
満を持してサーバーCPU市場に再参入するAMD
AMDは米国オースティンにおいて、サーバー向け新CPU「EPYC(エピック)」ファミリの発表イベントを開催した。最大32コア/64スレッドの「EPYC 7000」シリーズを、1ソケット/2ソケットサーバー市場に投入した。またEPYCに合わせて、GPUコンピュート向けのGPU製品「Radeon Instinct」も発表した。
「2.5クィンティリオン(Quintillion)バイトのデータが日々生成されている。その膨大なデータが、データセンターの新しいデマンドをけん引している」「現在のデータセンターは、5年前とは全く異なる。もう『ワンサイズフィッツオール(one size fits all:単一のソリューションですべてのニーズに対応する)』は通用しない。プロセッサだけでなく、システムもすべて刷新しなければ、多様化したワークロードに対応できない」。
AMDを率いるLisa Su(リサ・スー)氏(President and Chief Executive Officer,AMD)は、発表会の冒頭でこのように宣言した。AMDは、過去数年の硬直化したサーバーCPUとシステムは、現在のデータ爆発に対応しなければならないデータセンターに適応できないと見ている。そうしたニーズに合わせて開発したのが、EPYCとRadeon Instinctだという。
AMDが投入したEPYCは、その宣言通り、新しいワークロードに最適化したCPUとなっている。EPYCのスペック上の特徴は、多数のCPUコア、多数のメモリチャネル、多数のPCI Expressレーンを統合している点。後述するが、EPYCは、データセンターのワークロードの変化に、アーキテクチャ面から最適化されている。CPUやメモリ、I/Oのパフォーマンスが高いだけでなく、電力効率も高く、さらにセキュリティ専用のコプロセッサを統合している。