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日本SGI、京都大学化学研究所から次期スーパーコンピュータシステムを受注

日本SGI、京都大学化学研究所から次期スーパーコンピュータシステムを受注

~ 世界をリードするゲノム情報研究の基盤となるコンピュータシステムを大幅強化 ~

                      2011年11月2日

日本SGI株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:石本龍太郎)は、京都大学化学研究所(ICR: Institute for Chemical Research、所在地:京都府宇治市、所長:時任宣博)から、ゲノム情報研究向けの次期スーパーコンピュータシステムを受注いたしました。

次期システムは、SGIの最上位機種「SGI UV 1000」をはじめ、他社製サーバやストレージも含む大規模なスーパーコンピュータシステムで、日本SGIがすべての製品導入からシステム構築、運用保守までを一括して行います。2012年1月に稼働開始する予定です。

ICRは、化学を中心に物理学から生物学まで広範な学問分野を対象とした研究機関です。ゲノム情報研究に関しては、ICRの附属センターであるバイオインフォマティクスセンターが全世界の研究者に提供するバイオ情報サービス「ゲノムネット」を通じて、ゲノム情報を基盤とした新しい生命科学研究と創薬・医療・環境保全への応用を推進しています。

「ゲノムネット」は、京都大学化学研究所の金久研究室(教授:金久實)で開発が開始された生命システム情報統合データベース「KEGG:Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes」をはじめとするデータベースリソースと各種の計算ツールから構成されています。2011年現在、利用者が毎月20万人にまで増加したことや分子生物学関連データ量が大幅に増加したこと、また今後は基礎研究のみならず、医療、創薬、環境保全をはじめとした応用研究への本格的な活用が予想されることから、現行システムを更新して大幅な性能向上および大規模化を図ることとなりました。

新システムは、化学計算サーバ、ゲノムネット計算サーバ、ゲノムネットウェブサーバ、ゲノムネット開発サーバ、ファイルサーバ、化学データベースサーバの6つのサーバ群で構成され、現行の毎秒1ギガビット(Gbps)から10Gbpsに強化した高速ネットワークで統合されます。新システムの中核となる化学計算サーバおよびゲノムネット計算サーバには、Linuxで稼働する共有メモリ型の超並列サーバ「SGI UV 1000」が採用されます。特に2つのサブシステムから構成されるゲノムネット計算サーバでは、現行2テラバイト(TB)であったメモリをサブシステムあたり16TB搭載することで、サブシステムとして最大のメモリ空間を実現します。さらに、搭載コア数も現行の512コアからサブシステムあたり1024コアへと増強されます。これにより、研究に必要な計算プログラムの大規模な並列化や高精度な計算をより高速に行うことが可能になります。ストレージシステムは合計840TBで、現行システムの2倍の容量を実現し、今後の分子生物学関連データの急増に対応します。

日本SGIでは20年近くにわたってICRのスーパーコンピュータシステムの構築・運用をサポートしてきました。次期システムは5世代目となります。今後も、ゲノム研究の現場におけるシステムの有効活用や支援ツールの共同開発、ゲノムネットの運用サポートなどの高度な技術提供を通じて、世界最大級のバイオ情報センターとしてのICRの活動を支援してまいります。

<京都大学化学研究所 金久實教授からのコメント>

「我々の研究室では、KEGGと呼ばれる「生命システム情報統合データベース」を開発し、ゲノムネットサービスの一部として世界中の研究者にサービスを提供しています。しかし年々データ量の増加や利用者の増加により、現行のシステムでは限界に達していました。例えば、KEGGでは生物種間のゲノム比較を行うことによって各種生物が持つ機能情報を提供していますが、前処理で膨大な計算が絶えず行われています。今回のゲノムネット計算サーバとして導入されるSGI UV 1000を活用することで、この処理時間を大幅に短縮し、利用者にいち早く最新データを提供することが可能になると期待しています。また、今回のSGI UV 1000では1システムあたり16TBの共有メモリが利用できますので、共同利用・共同研究拠点としても次世代シーケンサーによる大量のゲノム情報を有効に活用できることも期待しています」

<商標登録>
SGIおよびSGIのロゴは、日本SGI 株式会社の登録商標です。
その他の会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。

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2011/11/2 17:30