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10周年を迎えたインテルvProプロセッサ、第6世代にはセキュリティ機能を搭載
(2016/4/22 06:00)
インテル株式会社は21日、ビジネスクライアント向けプロセッサの最新版となる第6世代インテルCore vProプロセッサを発表した。2016年はvProが発表されてちょうど10周年。すでに世界で1億台のvPro搭載PCが出荷されたという。
第6世代インテルCore vProプロセッサを搭載したPCは、性能が最大2.5倍、バッテリー駆動時間が3倍、グラフィクス性能が30倍にまで向上するという。また、最新版vProにはセキュリティを強化する新たな機能が加わったほか、生産性の向上に結びつく機能が強化された。
米Intel クライアント・コンピューティング事業本部 副社長兼ビジネス・クライアント・プラットフォーム事業部長のトム・ガリソン氏は、「世界各国で職場環境を変革するプロジェクトが進んでいる。良いアイデアは、良い職場環境から生まれるためだ。Intelでも職場環境を改善し、大幅なコスト削減と従業員1人あたりの職場面積の改善につながった。職場環境を改善することでコラボレーションが促進され、生産性も高まる」と主張。
「こうした環境に必要となるのが、PCを中心としたツールだ。第6世代Core vProプロセッサは、デスクトップPCはもちろん、2-in-1のノートPC、Ultrabook、クラムシェル型PCなど、さまざまなフォームファクターをサポートすることでユーザーに選択肢を与える。また、企業内での生産性向上やセキュリティ強化につながる機能を持つプロセッサだ」と述べた。
第6世代インテルCore vProプロセッサには、「インテルAuthenticate」という新たなセキュリティ機能が搭載されている。「データ漏えい事件の半数以上は、ユーザーの認証情報が盗難されたことにより発生している。より高いレベルのセキュリティ対策が必要だ」と、ガリソン氏は同機能を搭載した背景を語る。
ハードウェアに組み込まれたインテルAuthenticateは、多要素認証をプラットフォームレベルでサポート。暗証番号や、スマートフォンなどの所有物情報、さらには生体認証など、最大3つの要素を組み合わせてユーザーを認証できる。シングルサインオンでネットワークドメインやVPNへのアクセスが可能で、McAfee ePOやMicrosoft Active Directoryといったポリシー管理ツールとの互換性も確保する。インテルAuthenticateは現在プレビュー版として公開されており、ユーザーからのフィードバックを元に今年後半には正式版として利用できるようになる。
また、第6世代インテルCore vProプロセッサでは会議ソリューションの「インテルUnite」が強化された。最新版のインテルUniteは、新たなディスプレイ機能により、会議室のディスプレイと各自のデバイスを物理的につなぐことなくプレゼン資料を表示させることが可能となる。遠隔地から資料を閲覧することも可能で、Skype for Businessとも統合される。Intel社内でも、3000以上の会議室にUniteを導入するという。
ガリソン氏は、「これまで会議室でプレゼン資料を表示させるためには、プロジェクターとPCを直接つなぐ必要があり、その接続に時間がかかっていた。Intelで実際に計測してみたところ、会議室に入ってから会議が始まるまでの時間は平均8分だったが、Uniteを活用すれば2分後に会議を開始できるようになった」と、すでに時間の効率化につながっていることを強調。今回の新製品発表会が行われた渋谷ヒカリエの貸会議室「Hikarieカンファレンス」でも、Uniteが試験導入されたことを公表した。
「タブレットなどの普及により、過去にはPCが死んだと言われた時期もあったが、2015年にはやはりPCは必須だという認識が浸透した。2016年は、PCを戦略的に使うようになるだろう。新たなコラボレーションにつなげるためのデバイスとして、また企業の資産を保護するためにも、PCは戦略的に使うべきなのだ」とガリソン氏は締めくくった。