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港区内すべての幼稚園・小中学校で統一されたシステム基盤、NECが構築

 NECは、東京都港区教育委員会(以下、港区)に、学校間・教職員間の情報共有や校務を効率化する新たなシステム基盤を納入した。4月1日に開校した「白金の丘学園」をはじめ、9月までには港区に全40校ある区立幼稚園・小中学校で順次利用が開始される。利用者数は1万1000人となる見込み。

白金の丘学園

 導入したのは、サーバー製品「Express5800/ECO CENTER」、仮想化ソフト「Hyper-V」、SDN対応製品「UNIVERGE PFシリーズ」、クラウドサービス「Office 365」など。これらで基盤を構築し、サーバー・ネットワーク・デスクトップの3つの仮想化を実現した。

 具体的には、各学校に設置されていた「Webフィルタリングサーバー」「ファイルサーバー」「認証サーバー」を仮想化しセンターに集約。港区でWebフィルタリングポリシーを集中制御可能にし、教職員・児童生徒それぞれに適切なWebページ閲覧設定を行う。

 ネットワークはUNIVERGE PFシリーズでSDNを実現し、学校単位のセキュリティを確保した通信環境を実現。今後、幼・小中一貫教育を推進するにあたり、新たな学校の新設や統廃合が行われた場合も、ネットワークを止めることなくスムーズに通信環境を追加・変更できるという。

 加えて、デスクトップ仮想化とクラウド活用により拠点間情報共有も実現。従来、教職員はインターネット接続可能な「研究用途」と児童生徒の個人情報を扱うため、外部接続を行わない「教務用途」に、2台のPCを使い分けていたが、リモートデスクトップサービスによって両用途を1台のPC画面内でセキュアに使い分けられるようにした。さらにOffice 365を利用することで、教職員間のコミュニケーションと情報共有を活性化。今後導入を検討するテレワーク環境も整えたという。

 港区では今後、同システム基盤上に区で統一された校務支援システムも新規導入し、校務の効率化を図る。これらにより、教職員が児童生徒に向き合う時間を確保するとともに教育の質を向上させ、「教育の港区」の実践に努める考え。

川島 弘之