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運転者にスマホやカーナビで災害情報提供、静岡県で実証実験

オープンデータ活用事例

 移動者向け災害情報提供協議会は8日、静岡市において「移動者向け災害情報提供プロジェクト実証実験」を実施すると発表した。

 移動者向け災害情報提供協議会は、みずほ情報総研株式会社、静岡県、公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構、特定非営利活動法人ITS Japanにより構成される団体。今回のプロジェクトは、国土交通省「平成26年度G空間社会実証プロジェクト事業」に採択されたもので、みずほ情報総研が代表企業として全体を統括する。

 実証実験では、旅行中のドライバーなど地理に不案内な移動者に対して、津波や大雨などの災害時に現在位置に応じて避難に有用な情報を、カーナビやスマホアプリなどを通じて提供し、減災を実現するための仕組みの効果検証を行う。

大雨による土砂災害発生時のカーナビによる情報提供イメージ

 現在位置に応じた情報としては、自治体などが発信する情報(避難勧告や河川水位情報など)をオープンデータとして利用し、民間情報サービスによって日頃から収集されているコンテンツ情報(冠水した道路の画像情報)など、多種多様な災害に関する情報を組み合わせて提供。将来的には、Lアラート(旧称:公共情報コモンズ)との連携により、全国レベルでの移動者向け災害情報提供サービスとして実現をめざすという。

 実証期間は12月15日~12月19日。静岡県静岡市(葵区、駿河区、清水区)にて実施する。

実証実験システムの構成、メンバーの役割

 背景には、東日本大震災時に、車などでの移動者に対して避難の必要性を十分に伝達・周知できず(発災直後、車・バイクを運転中の30%は津波警報を認知できなかった)、被害が拡大したことがある。移動中でも速やかに避難行動が取れるような環境を構築するのが狙い。

川島 弘之