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「Server 2003からの移行は待ったなし、パートナーに相談を」~日本マイクロソフト

移行に向けた各種支援策を提供、サポート終了までに稼働台数を1/4へ

 日本マイクロソフト株式会社は4日、Windows Server 2003のサポートが2015年7月15日(日本時間)に終了するのを受け、説明会を開催。Windows Server 2003で稼働するサーバーを約5万台まで減らすことを目標とした、「待ったなし、Windows Server 2003移行キャンペーン」を12月5日より開始すると発表した。

2015年7月15日(日本時間)にサポートが終了するWindows Server 2003

 日本マイクロソフト 代表執行役社長の樋口泰行氏は、IDC Japanの調査データをもとに、「2013年末には推定で約36万台だったWindows Server 2003の稼働台数が、2014年末には約21万台へと減少する見込み」と話し、この1年間で約15万台が移行したというデータを示した。しかし、このペースでは間に合わないことから、サポート終了に向けて移行を加速する取り組みを行うとし、「サポート終了時点で、理想的にはゼロと言いたいところだが、現実的な目標として約5万台まで減少させたい」と述べた。

日本マイクロソフト 代表執行役社長の樋口泰行氏
サポート終了時点で、5万台まで稼働台数を削減したいとする

 すでに、サポート終了の認知度は84.7%と高く、終了すること自体に関する周知は進んでいるとのこと。しかし、それでも移行が進まない理由としては、「予算の確保、経営層の理解」(54.7%)、「社内の人手不足」(36.2%)、「アプリケーションの動作検証」(28.1%)などがあるという。

 こうした点をサポートするために行うのが「待ったなし、Windows Server 2003移行キャンペーン」。移行の割合に地域差があることを考慮し、日本商工会議所および地域の商工会議所とサポート終了セミナーを、東名阪だけでなく全国20カ所で開催するほか、地方新聞などを活用した告知活動も推進する。

 こうした中では、特に「情報担当はわかっていても、経営層の理解が得られない。こうしたボトルネックを解消する必要がある」(樋口社長)点を重要視。技術的なメッセージだけでなく、ビジネス的な影響に関するメッセージも発信を強化し、経営層への浸透を深める考えを示した。

移行計画と移行の阻害要因
地方新聞などの媒体も告知に活用

 その際に鍵となる予算面での支援については、主に中堅・中小企業向けのボリュームライセンス制度「オープンライセンス(Open Volume/Open Business)」で、サーバーとユーザーCALのライセンス料金を10%引きにするキャンペーンを、12月8日から2015年3月末まで実施する。

 また、経済産業省 商務情報政策局 情報セキュリティ政策室の上村昌博室長が、特別償却や税額控除、低利融資といった国による支援策を紹介したほか、日本マイクロソフト自身も、マイクロソフトファイナンスによる支援を紹介し、有効に活用してほしいと呼びかけた。

サーバー買い換えなどに利用できる税制・融資制度
オープンライセンスのキャンペーン

 一方技術面でも、クライアントPCと異なり業務システムと深く絡む場合のあるサーバーは、単純なリプレースでは済まないケースも多く存在することから、段階的な移行が効果的と説明。マイクロソフト 執行役常務 ゼネラルビジネス担当の高橋明宏氏は、これについて「例えば、新規システム構築時は7割がクラウドを検討するといったように、複雑な要因が絡むため、移行がクライアントのようにすんなりいかないケースが多い。そこで当社としては、来年3月までにハードウェアとライセンスの入れ替えを最優先して行い、4月以降にあらためてクラウドなどを検討するといった手順をお勧めしたい」と述べた。

 なお、移行が進まない理由の上位として挙げられている、「社内の人手不足」「アプリケーションの動作検証」といった点については、「パートナーへ相談いただければ、ほとんど解決する状況ができあがっている」(高橋氏)とのこと。このため、「サーバー環境を安全にし、確実に移行するために、マイクロソフト、あるいは早くパートナーへ相談してほしい」と呼びかけた。

マイクロソフト 執行役常務 ゼネラルビジネス担当の高橋明宏氏は
2段階でのサーバー移行を推奨している

 この説明会には9社のパートナーが列席したが、パートナー側を代表して登壇した大塚商会 営業本部 取締役兼専務執行役員 営業本部長の片倉一幸氏は、「さまざまなソリューションを用意し、支援する体制を整えている。トップの理解がないという問題についても、単にサポートが終了するということではなく、Windows Server 2012の特徴をしっかりと説明してソリューションに入れ込み、生産性アップに向上できるという点を説明する」と話した。

大塚商会 営業本部 取締役兼専務執行役員 営業本部長の片倉一幸氏
9社のパートナー企業が参集

石井 一志