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名古屋市立大学病院、NEC SDNで新院内ネットワークを構築
(2014/5/30 06:00)
NECは29日、名古屋市立大学病院にSDNを活用した新ネットワーク基盤を導入したと発表した。従来、部門やシステムごとに構築されていた複数のネットワークを物理的に統合し一元管理を可能にするとともに、目的によって論理的にネットワークを分けることで、医療現場の安全性・利便性とネットワークのセキュリティを両立している。
名古屋都市圏の中核医療機関である名古屋市立大学病院では、医療ITの活用に積極的に取り組み、いち早くサーバー仮想化環境やSOAによる共通連携基盤を構築してきた。一方、ネットワーク領域では、各診療部門で使用する医療機器の専門性やセキュリティの観点から、部門やシステムごとにネットワークを構築したため、情報システム部門の運用管理者も正確な状態を把握することが困難となっていた。さらに昨今、ネットワークに接続する医療機器やモバイル機器の増加、頻繁に発生するネットワーク設定変更、誤接続のリスクなど、医療技術の進歩にネットワークが追随できていないという課題があったという。
新ネットワーク基盤ではSDNを採用することで、ネットワーク全体の可視化と統合管理を実現。運用効率の向上や、ハードウェアと収納スペースの削減にも寄与する。また、ネットワーク仮想化を活用した無線LANとの連携により、医療機器・電子カルテ端末・スマートフォンなどの各種デバイスを、最新医療に即応させる院内ネットワークインフラが実現するという。
具体的には、部門ごとに構築されてきた複数のネットワークを物理的に統合し、この中に各種デバイスの目的別に分離された論理ネットワークを構成。データのセキュリティを確保した安全な運用を実現した。併せて、無線LANに対応した最新型の生態情報モニターや、病室や手術室でスマートフォンを使って撮影した記録写真を即座に電子カルテに登録するといった、新たな医療サービスも導入している。
運用管理画面では、物理・論理ネットワークを同時に可視化できるため、ネットワーク全体の構成やデータの流れが把握可能。従来、設定作業に多くの工数がかかっていた機器の追加や新しい医療システムの追加などにも容易に対応できるという。
機器設置スペースの削減としては、各部門やフロアに設置された合計40台以上のスイッチを、1000台以上のデスクトップ仮想化で大幅に増加した4000を超えるIPアドレスを一カ所に集約した8台のSDNスイッチに置き換えた。サーバーの仮想化も行うことで、機器収容ラック数は17台から6台に、設置面積としては65%の削減に成功した。
なお、新ネットワーク基盤には、2011年3月に発売したSDN/OpenFlowに対応した「UNIVERGE PFシリーズ」が採用されている。NECは今後も、独自の技術・製品・サービスとパートナー製品群を組み合わせた「NEC SDN Solutions」を軸として、SDNを活用したソリューションを展開。ビジネスや暮らし、社会に貢献するシステムを支えていく考え。