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NEC、テレビ朝日「ゴーちゃん。スクエア」のSDNネットワークを構築

 NECは12日、10月25日に竣工したテレビ朝日の「ゴーちゃん。スクエア」に完成した多目的ホール「EX THEATER ROPPONGI」と、17階建てのオフィスビル「EX TOWER」のネットワークシステムを構築し、10月21日より稼動開始したと発表した。同システムは、放送業界特有のフレキシブルなネットワーク運用に対応するSDN(Software-Defined Networking)で実現されているという。

 EX THEATER ROPPONGIはライブイベントなどのコンテンツ発信基地、EX TOWERは放送業界におけるワークスタイルを考慮したビジネス環境を提供するオフィス基盤として建設された。

 今回のシステムの背景として、「ゴーちゃん。スクエア」においては各種イベントにも利用できるEX THEATER ROPPONGI向けネットワーク、社員が利用できる一般業務向けネットワーク、映像伝送などにも利用できる広帯域ネットワークと、さまざまなニーズに応える必要があった。これらに対応するため、「NEC SDN Solutions」を構成するOpenFlow対応製品「UNIVERGE PFシリーズ」によってネットワークシステムを構築している。

 システムの特長は、多様なネットワークが共存できる点。UNIVERGE PFシリーズによってネットワークを仮想化することで、1つのネットワークシステム上に利用用途に応じて最適化され独立した論理ネットワークを作れるようになる。これにより、各論理ネットワークに流れるデータのセキュリティを確保するとともに、それぞれのネットワークのトラフィック干渉回避など、物理ネットワークを最大に有効活用できるようになった。

 また、導入・運用時における自由度も向上。従来はネットワーク構築の初期段階で詳細な要件定義を行った上で、物理・論理双方のネットワーク設計・構築を進める必要があったが、UNIVERGE PFシリーズの導入により物理設計・構築を先行させつつ、並行して新規要件の追加や論理設計の変更に対応可能となる。これにより、早期着手が必要であった要件定義・設計フェーズを短縮し、約3カ月という短納期で稼動を実現。運用フェーズへの移行後も、要件の追加・変更に容易に対応できる環境が実現したという。

 NECでは今回の導入を生かし、NEC独自の技術・製品・サービスやパートナーの製品などを組み合わせた「SDN Solutions」を軸に、企業・官公庁・通信事業者・データセンター事業者向けにグローバルなソリューション提案を行うとしている。

川島 弘之