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日本HP、性能や可用性を強化した4ソケットのハイエンドサーバー「DL580 Gen8」

最新のXeon E7を搭載、第8世代サーバー共通の管理機能も大幅に向上

HP ProLiant DL580 Gen8

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は27日、4ソケットのハイエンドx86サーバー「HP ProLiant DL580 Gen8」(以下、DL580 Gen8)など3製品を発表した。あわせて管理機能の強化などを図り、ユーザーのx86サーバー活用を支援していくとしている。

 新製品の「DL580 Gen8」は、インテルの最新CPUであるXeon E7 v2シリーズ(開発コード名:IvyBridge-EX)を最大4基(60コア)、メモリを最大3TB(将来的には6TB)搭載可能なハイエンドサーバー。従来モデル「DL580 G7」と比べて、コア数が1.5倍、メモリ容量が3倍、PCIバス総帯域が2.7倍になったほか、メモリバンド幅も従来の2.5倍となる83GB/秒を実現するなど、大幅に性能が強化されている点が特徴という。

 また、Xeon E7 v2シリーズで強化されたRAS(信頼性/可用性/保守性)機能「Intel Run Sureテクノロジー」を生かし、x86サーバーとしてはトップクラスの可用性と信頼性を実現したとのこと。エンタープライズグループ事業統括 HPサーバー製品統括本部 プロダクトマーケティング本部 エンタープライズサーバー製品部の中井大士部長は、「サーバー自体がエラーを封じ込める機能を拡張しており、前世代より30%信頼性が向上した」と話す。

 価格は226万2000円(税別)から。用途としては、拡大するエンタープライズでのミッションクリティカル用途、あるいはビッグデータ処理などを想定。高速化・大容量化したメモリなどを生かした、インメモリデータベース分野への適用もにらんでおり、「性能と信頼性を両立したい市場へ、積極的に販売する」(中井氏)とのこと。

エンタープライズグループ事業統括 HPサーバー製品統括本部 プロダクトマーケティング本部 エンタープライズサーバー製品部の中井大士部長
DL580 Gen8の概要
可用性、信頼性も向上している

 新製品ではこのほか、Xeon E5-4600 v2シリーズを採用したエントリー向けの4ソケットサーバーとして、ラック型の「HP ProLiant DL560 Gen8」と、サーバーブレード「同 BL660c Gen8」も製品化されている。こちらは、搭載CPUが異なるため、Xeon E7 v2シリーズ由来のRAS機能は利用できないものの、4ソケットサーバーの性能を手軽に利用できることから、仮想化やシステム統合のプラットフォーム、メモリ容量/性能を必要とするデータベース、HPCなどでの利用を見込んでいる。価格はそれぞれ、91万6000円(税別)から、151万円(税別)から。

iLO4を利用した管理機能を強化、中継サーバーを不要に

 このほか今回は、新製品を含む第8世代サーバー「HP ProLiant Gen8シリーズ」(以下、Gen8シリーズ)が共通して搭載する監視機能、「iLO4(HP Integrated Lights-Out)マネジメントエンジン」(以下、iLO4)の機能を大幅に強化した。

 自働化サーバーというコンセプトで提供されているGen8シリーズでは、サーバーの情報をHPのデータセンターへ集約し、万一の障害もしくは障害予兆発生時に日本HPへ自動通報する「HP Insight Online」が提供されている。

 これは便利な機能ではあるのだが、これまでは、ユーザー側で中継用のサーバーを設置したり、エージェントをサーバーに導入したりする必要があったため、専任のIT管理者がいないような中堅・中小企業では導入のハードルが高かったという。

 そこで日本HPでは今回、こうしたサーバーなどの設置を行わなくとも、iLO4からダイレクトに日本HPへ通報する「HP Insight Onlineダイレクトコネクト」を新たに実装した。OSにも依存せず、3ステップで簡単に導入できるので、簡単に通報設定を行える。

管理機能「HP Insight Online」を「HP Insight Onlineダイレクトコネクト」へと強化し、容易に導入できるよう改善を図っている

 さらに、「iLO連携」により、1000台、10グループまでのデバイスのiLO4同士が自動で通信を行い、適宜最新の情報に更新される仕組みも導入された。中井氏は、このメリットについて「互いのiLOが最新のサーバー情報を持ち合うので、どこかのiLOにアクセスすれば、基本的な情報を統合して見ることができる。大量のサーバーがある環境でも、管理サーバーを別途立てられないような中小企業でもメリットがあるだろう」と説明している。

 なおこれらの機能は、iLO4のファームウェアを最新(Ver.1.40)にすれば無償で利用可能だ。

iLO連携機能

石井 一志