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山口県で水稲栽培をICT化、「計画的農業」と「後継者育成」へ
富士通エフサスが栽培工程の記録・管理など支援
(2014/3/6 15:11)
株式会社富士通エフサスは6日、山口県と連携し、山口県集落営農法人連携協議会の水稲栽培をICTで支援すると発表した。
山口県が推進する計画的農業、後継者育成の取組の一環として、同協議会がモデル法人として選定した農事組合法人下郷農業構造改善組合に、水稲を中心とした土地利用型農業向けICTシステムを提供する。
具体的には、株式会社穂海と富士通との共同実証実験を経て、富士通エフサスが開発した「FUJITSU Intelligent Society Solution 智のWA!(ちえのわ)耕作のしおり」を導入。
農業に関する経営ノウハウ、作業計画、栽培技術、圃場特性に適した作業手順などの情報・知識・知恵を見える化し、ICTで蓄積・共有・分析することで、計画的かつ効率的な農業を可能にする。さらに、これらの情報を利活用することで、次世代の農業人材育成にもつなげる。
導入するシステムでは、PCに作付情報、栽培情報、圃場情報、生育情報などを入力することで、すべての栽培工程を記録・管理できる。生産計画、栽培記録、進ちょく照会については、GISの地図上で直感的な操作・閲覧が可能。生産計画では、圃場毎の資材(育苗・肥料・農薬)の使用料が自動計算でき、栽培計画は見やすいガントチャートで、気象変化など農業独自の計画変更も簡単に操作できる。
これらにより、圃場ごとに、栽培履歴や農薬、肥料の使用量などの情報を蓄積。過去の情報を参考にしながら、栽培を進められる。さらに計画的な作業体系を構築することで、計画と実績のギャップ分析も実現。これらの情報を活用して、後継者に農業に関する栽培技術・経営知識などを円滑に継承できるとしている。
近年、全国的に農業従事者の高齢化が進む中、山口県においても集落営農法人の構成員は高齢化。従来「暗黙知」として実践されてきた農業経営、作業手順や栽培技術などの知識や知恵を、いかに次の世代に円滑に継承するかが大きな課題となっている。ICTで農業の暗黙知を形式知に変え、広く共有を図る狙い。