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ネットワールド、使い勝手を改善した仮想化環境ベンチマークツール「Login VSI」新版

エンドユーザーのシステム運用でも使用できるツールに

 株式会社ネットワールドは26日、米Login VSIの仮想化環境ベンチマークツールの新版「Login VSI 4.0」を提供開始すると発表した。従来より、インストール手順と設定画面を分かりやすく変更したため、インストール・設定の作業負荷が軽減されるという。今回も、無償版の「Login VSI Express」と有償の商用版「Login VSI Pro」を提供する。

 Login VSIは、VDI(仮想デスクトップ)やSBC(サーバーベースドコンピューティング)環境のパフォーマンスを測定できるベンチマークツール。従来は、主にHP、Dell、Cisco、EMC、NetAppなどのハードウェアベンダーや、Microsoft、Citrix、McAfee、Quest Softwareなどのソフトウェアベンダー、システムインテグレータなどで使用されるケースが多かったが、今回の新版では、エンドユーザーが自社システム用に導入できるような改善が行われた。

 具体的には、Login VSIの実行モジュールを各Launcher(負荷発生サーバー)にインストールする必要がなくなったほか、設定が使いやすいGUI画面を用いるように改善されたことで、特別なトレーニングを受けていないユーザーでも、直感的に設定を行えるようになった。

 また従来は、45台のターゲットマシン(測定対象となるVDIもしくはSBC)ごとにLauncherを構築する必要があったため、例えば500台のVDI環境をターゲットとする場合は、12台のLauncher構築が必要だった。今回追加されたダイレクト・デスクトップ・ラウンチ(DDL)モードを選択すると、Launcher上でVDIのクライアントソフトウェアが起動しないため、Launcherのリソースが軽減され、500VDIのベンチマークであれば、1台のLauncherで測定可能になっている。

 さらに、負荷シナリオへの独自アプリケーション動作の追加を、Launcherの管理コンソールにある専用エディタから容易に行えるようにした。加えて、こうしたカスタマイゼーション作業は、従来版ではAutoIT言語を使用する必要があったが、新版では汎用言語(メタ言語)を使用して行えるという。

Launcherの管理コンソールから専用エディタを起動したところ

 このほか、負荷シナリオの内容も、Webブラウザの同時起動数を増やしたり、動画再生のコンテンツを増やしたりするなど、昨今のPCユーザーの利用状況に合わせた負荷シナリオへと変更されている。

 商用版のLogin VSI Pro 4.0の場合、ライセンスはユーザーワークロード数と使用可能期間(3カ月、6カ月、12カ月、期間限定なし)に応じて購入する必要がある。最少ライセンスは、3カ月間使用、100ユーザーワークロードで38万円(税別)から。

 なお、今回の改善を受けネットワールドでは、パッチ適用やアプリケーション追加など、新たなソフトウェア導入後の要因変化がパフォーマンスに与える影響を測定するといった、エンドユーザー企業におけるパフォーマンス管理ツールとしても利用可能になったとしており、こうした企業にも、Login VSIによるベンチマークを浸透させたい考え。今後1年で50社への販売を見込んでいる。

石井 一志